食物同時刺激法とは?
食物同時刺激法とは、文字通り嫌いな食べ物を何かと一緒に食べる方法です。
偏食は個人差があり、「この方法方なら100%誰でも治る」という万能の方法はありません。
このため食物同時刺激法も様々な方法論の1つです。
しかしながら、行動心理学などに基づく食物同時刺激法は、偏食への対処法として比較的有意義なものであると考えられます。
解説
偏食に対する心理学的手技
食物同時刺激法は、心理学における「先行子操作に基づく方法(antecedent-based procedure)」の1つです。
先行子操作に基づく方法とは、簡単に言うと初めの刺激への嫌悪感をなくし、全体を受け入れやすくしていく方法です。
このため食物同時刺激法は、「嫌いな物を頑張って食べる」というより「嫌いな物を食べやすい食べ方で食べる」方法であると言えます。
嫌いな物を頑張って食べる根性論の方法は、子供に負担がかかりますしその食べ物にますます嫌なイメージを持ってしまう可能性があります。
食物同時刺激法は子供への負担が少なく、かつ方法が簡単で、家庭でも取り入れやすい方法の1つです。
食物同時刺激法のやり方
食物同時刺激法とは、文字通り嫌いな食べ物を何かと一緒に食べる方法です。
例えばピーマンは嫌いだけれどハンバーグが好きな子であれば、小さくしたピーマンとハンバーグを一緒にスプーンに乗せてパクっと食べるといった方法です。
あるいはピーマンの肉詰めなど料理自体に織り交ぜる、ピーマンを小さく刻んで見えないようにハンバーグとこねておくなども該当します。
いずれにせよ、好きな食べ物と合わせることで、嫌いな食べ物の味や食感、見た目や匂いを緩和します。
嫌いな食べ物の克服はそれだけを食べさせる根性論ではなかなかうまくいきません。
その食べ物をなぜ嫌いなのか。味なのか食感なのか見た目なのか匂いなのか。
そういったその子なりの理由を聞いてあげます。
そしてその理由を解消するにはどんな食べ方がいいのか提案してあげます。
その方法の中で有効なものの1つが同時刺激法です。
こうして一緒に食べ方を考え食べることができれば、子供の自信にもつながります。
参考資料
『自閉スペクトラム症児の偏食に対する食物同時提示法の適用』(NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会)2021年9月11日検索