失言課題

【失言課題】電車で席を譲る|空気を読む練習とソーシャルスキル

公開日:2021年3月8日


 
 

はじめに

「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。

失言検出課題とは?
失言課題の設問意図の解説

といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。

 
 

問題文

ミホとメグミは駅で電車を待っていました。
ミホは1歳になったばかりの娘を抱いており、メグミはもうすぐ出産予定の妊婦さんです。
電車が駅について2人は乗ります。
電車の中はそこまで混んでいませんでしたが、席はほとんど埋まっていました。
2人の近くに1つだけ席が空いています。
「お腹重いでしょ。座っていいよ」ミホは言いました。
「悪いわよ。抱っこ疲れるでしょ?」メグミは言いました。
「大丈夫。今はぐっすり眠っておとなしいから。それに一駅だし」ミホは言います。
「ごめんね、ありがとう」そういってメグミは席に座ります。
すると「すみません、もしよかったらどうぞ」と向かいの席にいた大学生と思しき男性が2人に声をかけ、席から立ち上がりました。

 
 
 

質問

①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?

「いる」場合、以下の設問にも解答します。

②気まずいことを言った人は誰ですか?

③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?

④なぜその人はそのように言ったと思いますか?

⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?

⑥相手はどのように感じましたか

 
 
 
 
 
 

答え

①いない(いないため、以下の設問は省略)

 
 
 

解説

電車の席の譲り合いは微妙な言外のニュアンスを含むので難しいものです。
しかし今回のケースは特に失言はなかったのではと考えられます。

見方によっては、ミホとメグミの会話は暗に周囲に「席を譲ってよ」とプレッシャーをかける会話に感じる人もいるかもしれません。

しかし2人が例えば「誰も席を譲ってくれないわね」など他者を批判するような言葉を言っていない点、ミホが「大丈夫。今はぐっすり(以下省略)」とできるだけメグミや周囲に気を遣わせないようにしている点から、2人は別に催促をしているわけではないと考えていいと思います。

また席を譲った男性についても、「よかったらどうぞ」とあくまで提案するかたちで謙虚に申し出ています。

以上から、気まずさや失言は特にないシチュエーションではと考えられます。

 
 
 

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