いじめの見つかり方
いじめが発見される経緯は、本人からの訴えによるものが比較的多いです。
また、小学生であればクラス全体へのアンケートなど匿名でいじめを報告できる機会を設けることも有効と考えられます。
一方で、先生がいじめを発見するケースは全体の2割程度で、先生の視点のみでいじめを見つけることの難しさを物語っています。
解説
いじめ発見のきっかけ
いじめは顕在化しないものも多くあると考えられ、発覚したいじめは氷山の一角と言えます。
しかしながら、見つかったいじめについて分析することで、他の見つからないいじめへの対策を考えることができるかもしれません。
文部科学省の調査によると、発見されたいじめの内、そのきっかけで比較的多いものは「本人からの訴え」「(担任の)先生が発見」「保護者が発見」「アンケート」などのようです。
これらはそれぞれ10~20%強を占める比較的割合が多いきっかけとなっています。
逆に、「スクールカウンセラーが発見」「地域住民が発見」などは1%にも満たず、いじめが外部から発見されにくいことを物語っています。
また、(アンケートなど匿名ではなく)いじめられている本人以外の生徒からの直接の報告は全体の5%程度と比較的少ないようです。
「いじめはいけないこと」「いじめを見つけたら大人に報告」というのは建前としては大切ですが、実態としてはやはり大人が目を向けてあげないと難しい面があると言えます。
年齢ごとの違い
いじめの発見のされ方は、小学校・中学校・高校でまた傾向が異なるようです。
小学校であればアンケートによるいじめの発見は全体の30%と他のきっかけより高くなっています。
一方で中学校になるとアンケートで発見されるケースは20%を切り、子供達の人間関係と心理状態の変化が見られます。
また、本人からの訴えの割合は小・中・高と年齢が上がるほど上がっていく傾向があります。
本人からの訴えの割合は小学校では20%弱ですが、高校になると30%を超えるようです。
逆に担任の先生が発見できるケースは小・中・高と年齢が上がるほど下がっていく傾向にあるようです。
補足記事
参考資料
『平成 22 年度「児童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関する調査」について』(文部科学省)2021年12月25日検索