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9~11歳のいじめの対処法
小学校後半である9~11歳頃の子供達のいじめ対策としては、十分な集団活動の経験の保障が考えられます。
解説
適切な仲間の掟の経験
ギャングエイジ期である9~11歳頃は、本来は多少の「仲間の掟」の経験は必要な時期です。
集団にはその集団の暗黙の了解がある。
そのルールを無視し過ぎれば、集団からは受け入れられない。
これは大人の社会でもそうでしょう。
もちろんこれらが過剰になりいじめに発展すれば問題です。
しかしそうでない範囲であれば、多少の仲間の掟を知り経験することは大切です。
集団の経験を育みながら、いじめという間違った方向に進んでしまわないバランス感覚が重要です。
集団活動とエネルギーの発散
このため、ギャングエイジ期は集団活動や遊びを通してエネルギーを発散させてあげることが大切です。
キャンプやパーティー、ごっこ遊び、合奏などの文化的活動といったものを通して集団の経験を積んでいきます。
それ以外にも、子供達のペースで(習い事ではなく)運動場でスポーツをしたり自由に遊ぶこと自体も有意義でしょう。
相互的な関係を示し心の居場所を作る
集団において力による支配ではなく、相互的な関係性を育むことを指導していきます。
力や暴力による支配では最終的には人はついてこないことを明示してあげます。
また、これらに頼らない、相互的なコミュニケーションを指導しながら集団の中で自分の居場所を作ることをサポートしていきます。
9歳の壁へのサポート
俗に「9歳の壁」と言われるように、この時期が学業につまづく子が多い時期です。
もちろん全員ではありませんが、いじめや暴力から比較的早く離れた子は比較的学力が高い子であったという傾向もあります。
学業につまづいたり自分の思いをうまく言葉にできない子が、暴力やいじめに向かってしまう場合もあります。
また、そういった子達は一見すると運動はできるように見えても、どこか不器用さも見られる場合があります。
子供達の勉強や運動発達をサポートすることも、いじめへの対応策となり得るでしょう。
ギャングエイジ期(9~11歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧