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いじめが大人に隠れて行われるのはいつ頃から?
どのような時期でも、少なからずいじめは大人の目を盗んで行われることがあるかと思います。
しかしながら、発達の傾向として特にいじめが大人から見えにくくなる時期があると考えられます。
傾向としては、11~14歳頃の前思春期に入ると、それまでよりも大人が気づきにくいいじめが増えていくと考えられます。
解説
地下組織化する友人グループ
どの年代でも少なからず大人の目を盗んだ陰湿ないじめはあるかもしれません。
一方で、いじめの内容や特徴は子供達の年齢・発達段階によっても傾向があります。
11~14歳の前思春期にあたる時期は、友人グループがある意味で「地下組織化」し、大人の目を盗んだいじめが増えてくる可能性があります。
女子の場合は「トイレに行くのもいつでも一緒」といった過度の同一性を求めるがゆえの、仲間外しなどのいじめがあるかもしれません。
男子の場合は過度な上下関係による支配的ないじめが見られるかもしれません。
いずれにおいても、集団の中にボス的な、中心となる存在がいます。そのため厳密には子供同士が対等でない関係性を築いている場合が少なくありません。
集団いじめの見えにくさ
ギャングエイジと言われる9~11歳頃も、集団いじめはあるもののそれは公然と行われるものも少なくありませんでした。
これが前思春期になると公には見えにくくなっていきます。
前思春期のいじめの特徴はこの「集団いじめの見えにくさ」と言えるでしょう。
前思春期(11~14歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧
山岸竜治(2019)『「いじめの四層構造」を描いたのは誰か―いじめにおける教師の位置に関する考察―』(日本社会臨床学会)2024年5月18日閲覧