睡眠不足と肥満の関係
睡眠不足と肥満には有意な関連があると考えられています。
つまり睡眠時間が短い子供ほど肥満である確率が高いことが(社会的なイメージだけでなく)実際の調査でも確認されています。
解説
肥満予防の重要性
昭和大学による、小学4年生および中学1年生を対象にした調査によると、肥満と睡眠時間に有意な関連を認めたそうです。
小児期の肥満は多くが成人期まで移行するため、小児期の肥満予防は重要であることも指摘されています。
子供のうちにしっかり睡眠をとることは、大人になってからの肥満も防ぐことにつながるでしょう。
中高生の睡眠不足
ヒューストンの公立校で行われた調査によると、中高生の睡眠時間が1時間短くなると肥満の確率が80%増大するそうです。
インスリンの感受性や耐糖能は肥満の程度に影響します。
インスリンの感受性や耐糖能を正常に保つためには、ノンレム睡眠の影響が大きいと考えられます。
子供は大人より一晩のノンレム睡眠の割合が大きい傾向があります。
子供の睡眠不足は大人よりも肥満のリスクを高めるのかもしれません。
睡眠不足と肥満のメカニズム
睡眠不足と肥満の関係は、以下のような要因が考えられます。
- 睡眠不足になると食欲抑制物質であるレプチンが増加します。これにより食欲が増進されます。
- (起きている時間が長いので)食べる機会時代も増加してしまいます。
- 睡眠不足のため疲労が解消できず疲れている状態であるため、エネルギー支出が減ってしまいます。
参考資料
ポー・ブロンソン、アシュリー・メイリーマン『間違いだらけの子育て』インターシフト、2011年
・『眠れていますか? 各年齢別のベストな「睡眠時間」がありました』(HuffPost)2017年7月29日検索
・『平成23年社会生活基本調査』(総務省)2017年7月29日検索
『ライフスタイルと小児肥満』(2010)(昭和大学学士会)2024年5月29日検索