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9~11歳のいじめの要因
小学校後半にあたる9~11歳頃のいじめは、強まった集団意識が背景となっている場合が少なくありません。
仲間外れや支配的な関係といった、公然と行われる集団いじめが比較的見られます。
解説
社会を写す鏡
小学校後半の時期の子供達のいじめは、大人の社会を投影したような集団いじめが見られます。
一昔前に流行った「o-157いじめ」はその典型と言えるでしょう。
クラスメイトをバイキン扱いしたこのいじめは、清潔志向が高まり過ぎる社会を写したものとも言えます。
このように、小学校後半の子供のいじめは(大人に隠れてというよりもむしろ)公然と行われることも少なくありません。
競争社会の影響
家族や社会の中に競争原理が浸透したことも、子供達のいじめに関係があるのではないかと考えられています。
小学校や中学校についても受験が珍しくない現代。
そのような中で「公正でない手段を用いても勝たなければならない」という意識が少なからず子供に芽生えてる傾向もあります。
競争原理は集団遊びの中で「(勝ち負けのこだわらず)ゲーム時代と楽しむ・友達との活動自体を楽しむ」といった感情を阻害しているのかもしれません。
支配的な集団と異質性の排除
この時期の友達集団は過度に支配的であったり排他的であったりする場合があります。
本来は対等であるはずの友人関係が、支配する側とされる側のような関係になっている場合があります。
(全員というわけではありませんが)例えば親から虐待を受けるなど、力関係による支配が当たり前で育った子はこのような傾向が見られる場合があります。
また、同じグループであることにこだわりずぎ、少しでも違う子を仲間外れにする子もいるかもしれません。
ギャングエイジ期(9~11歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧