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いつ頃から「チクリ」がいじめにつながる?
「チクリ」をきっかけとする子供のいじめはいつ頃から起こりやすいのでしょうか?
子供同士の出来事を大人に報告することを、非難する意味で「チクリ」と表現することがあります。
ある種の子供集団では「チクリ」は嫌われるきっかけとなり、そこからいじめにつながる場合もあります。
「チクリ」がきっかけのいじめは、小学校後半頃から比較的見られると考えられます。
解説
ギャングエイジ期の集団いじめ
小学校の後半にあたる9~11歳頃はギャングエイジ期と呼ばれ、子供同士の集団の結束が強まる時期と考えられます。
これ以前の時期にもいじめはありますが、ギャングエイジ期にはそれまでよりも子供達が結託して一人をいじめるいわゆる「集団いじめ」が本格化する時期とされています。
このような集団の強まりが見られる時期においては、「チクリ」が非難される行為の1つされがちです。
チクリが非難される心理
ギャングエイジ期はその集団内のルールを守ることが重視され、「チクリ」は非難の対象となりがちです。
なぜなら小学校後半くらいの子供達は、子供同士の集団において「子供の問題は子供で解決する」という意識があるからです。
このような暗黙の了解から逸脱して「チクリ」をしてしまう子供は、しばしば「集団の掟がわからない奴」として攻撃の対象となってしまいます。
ギャングエイジ期(9~11歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧
山岸竜治(2019)『「いじめの四層構造」を描いたのは誰か―いじめにおける教師の位置に関する考察―』(日本社会臨床学会)2024年5月18日閲覧