6~9歳のいじめの要因
小学校前半の時期の子供達のいじめには、善悪を一方的に考えてしまうことが関係すると考えられます。
6~9歳という時期は、親や家族の関係から友達同士の関係へと人間関係が広がっていく時期です。
幼児期に厳しすぎる家庭で育ったり、自分の言いたい事が言えない環境で育った場合、それらが友達関係にも影響を与える可能性があります。
解説
一方的理解による人間関係
6~9歳頃は、他者に対して一方的理解をしてしまう時期です。(これは発達の自然な経過であり、悪いことではありません)
「A君には良いところもあれば悪いところもある」といった理解が難しく、一つの出来事で「A君は悪い」といった0か100の考えをしてしまいがちです。
これが行き過ぎた正義感や懲罰意識を招き、いじめへとつながっていくケースがあります。
例えば厳しい親の家庭で育った場合、子供がそういった厳しい態度を友達にも取るかもしれません。
虐待・アルコール依存症
虐待などで子供が親の顔色を窺わなければいけない環境も、子供の発達を阻害する可能性があります。
幼い頃に家庭で安定した相互関係を築けないことは、友達同士で自分の気持ちを伝え合うことの困難さを招く場合があります。
6~9歳頃は友達同士で相互的調整を経験する時期ですが、そのための土台がぐらついてしまうと言えるでしょう。
これはアルコール依存症の親を持つ子供にも言えます。
アルコール依存症により親の感情の起伏が激しいと、子供は過度に親の顔色を窺うことを強いられるからです。
小学校低学年期(6~9歳頃)の発達といじめの解説
参考資料
丸山真名美(1999)『思春期の心理的特徴と「いじめ」の関係』(心理科学研究会)2024年3月8日閲覧
楠凡之(1997)『少年期のいじめ問題の発生機序と教育指導 : 自我・社会性発達の観点から』(心理科学研究会)2024年4月28日閲覧