言葉の対象年齢考察

子供が上下という言葉をわかるのは何歳から?

公開日:2019年12月5日


 
 

上下をわかるのは何歳から?

子供が「上」「下」といった概念がわかるのは何歳頃からでしょう?

個人差はありますが、
上下を理解し言えるようになるのはおおむね3歳以降です。

 
 
 

空間の位置を表わす言葉

「上」「下」といった言葉はその空間における物の位置を表わす言葉です。

位置を表わす言葉は例えば「車」や「犬」などの特定の物を表わす名詞と異なり、抽象的で難しい言葉の1つです。

こういった言葉を子供がわかっているかどうか判断するにはどういうふうに子供を見てあげたらいいのでしょう?

例えば「机のにあるリモコン取ってきて」と言って子供がリモコンを取ってきてくれる。

これは一見すると子供が「上」という言葉を理解しているようにも見えます。

しかし、この場合は「リモコン」という単語がわかり、リモコンが視界に入っていれば「上」という言葉がわからなくてもリモコンを取ることはできます。

もっと言うと、「お母さんがテレビを点けるための道具を欲しがっている」というシチュエーションさえ察することができれば、「リモコン」という単語すらわからなくても、リモコンを取ることができるかもしれません。

このように、
「上」「下」といった空間を表わす言葉は日常生活では雰囲気で察してしまうため本当にわかっているか確認しにくい言葉でもあります。

こういった空間を表わす言葉を理解しているか見るためには、
「リモコンはテーブルのどこにある?」といった類の質問を複数回聞いてみて、「上」「下」正確にどちらも答えることができるかを見ます。

 
 
 

上下概念と子供の発達

子供の発達を見る検査に、LCスケールという言語検査があります。

上記によると、
「上」「下」といった空間を表わす言葉を言えるのは3歳前半頃からとされています。

ちなみに、上下と類似して「左右」も位置や方向を表わす言葉ですが、左右は上下より獲得するのがやや後になる傾向があります。

 
 
 

おわりに

「上下」「左右」「前後」といった言葉は抽象的で、大人でも具体的には説明しにくいものです。

ポイントとしては、こういった位置を表わす言葉を理解するには「何を基準にするか」を理解し読みとることが必要になってきます。

「上下」であれば基準がテーブルなのか床なのかを察することが必要になってきます。

「左右」なら自分の身体の中心を意識することが必要になってきます。

こういった基準を明確にした上で、空間を表わす言葉を学習していきます。

最後になりますが、子供の発達には個人差があります。
あくまで参考程度に、その子自身のペースを大切にもらえたら幸いです。

 
 
 

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参考資料

-言葉の対象年齢考察

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