「何歳?」に答えられる時期
「何歳?」と聞かれて子供が正しく自分の年齢を言えるのは何歳頃からなのでしょうか。
個人差はありますが目安としては、
子供が自分の年齢を聞かれて答えることができるのは3歳頃からと考えられます。
解説
質問に対して答える力の発達
幼児期の言葉の発達を見る検査、とりわけ口頭での質問に対して口頭で答える力を見る言語検査に「質問―応答関係検査」があります。
質問応答関係検査は、幼児期の会話能力を評価する検査の1つと言えます。
日本音声言語医学会の論文にて、この質問応答関係検査の作成に際したデータを見ることができます。
これには各検査項目について通過率が25%、50%、75%になった年齢がまとめられています。
子供の定型発達を考える上で通過率70%前後はよく用いられる割合であるため、通過率75%に相当する年齢は(あくまで目安ではありますが)定型発達児の傾向を知る上で比較的信憑性のある数字と言えるでしょう。
上記によると、「何歳?」という質問に答えられる子供が全体の75%を超える年齢は3歳頃となっています。
年齢と数概念
個人差はありますが、3歳頃はまだ数の概念が曖昧な時期です。
具体的には、10個までの数の理解ができる子もいればできない子もいると考えられます。
それに加えて、「年齢」というのは目の前にある物の個数を数えることと比べれば、なかなか抽象的な概念です。
このため自分の年齢を言うことは早ければ3歳頃から可能ですが、それは理屈だけでなく日々の生活習慣によって「覚えている」側面も大きいでしょう。
つまる「○○ちゃんは○○歳」という暗記に近い側面があります。
そしてそうやって覚えた年齢に、誕生日が来たら1つ足して、またその数字を覚えていく。
子供が自分の年齢を理解するには数字の概念だけではなく、自分や人の年齢に興味を持てる生活習慣や他者とのコミュニケーションも重要と考えられます。
参考資料
『質問―応答関係検査1―検査の作成とノーマルデータ―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧
『質問―応答関係検査2―質的分析と会話能力の段階設定―』(日本音声言語医学会)2023年11月13日閲覧