上手な子供の怒り方や叱り方
褒める子育てがなんとなく主流の昨今ですが、それでもやはり「ここは親として怒っておかないとな」と思うことはありますね。
怒り方・叱り方にもやり方があって、
やはり上手な怒り方と下手な怒り方がありますね。
上手な怒り方・叱り方というのは、子供の適切な反応を引き出せる怒り方です。
叱って終わり、言って終わりではなく、
しっかりと反省の行動と言葉を子供に伴わせる。
上手な怒り方・叱り方に必要なことはある意味でテクニックではなくて、親の根気でもあったりします。
叱ることも一種のコミュニケーション
子供相手に限らずですが、「怒る」という行為の先には相手、つまり人がいます。
こう考えると、
「怒る」だとか「叱る」という行為も人とのやりとり、つまりコミュニケーションであることがわかります。
よく言われる表現ですが、コミュニケーションはキャッチボールです。
よく、子供に対して「ダメでしょ」とか「こらっ!」と怒るだけで終わる人がいます。
子供を叱る上で、コミュニケーションが成立していないことがあります。
叱る言葉を子供に投げかけて終わり。
これはコミュニケーションではありませんよね。
キャッチボールは相手がキャッチしやすいようにボールを投げます。
そしてキャッチしてもらったボールを投げ返してもらいます。
子供を叱るときは、子供の反応がきちんと返ってきて1往復。
叱るという行為からやりとりが往復してコミュニケーションが成立しているのかが大切です。
親と子供の根競べ
たとえば子供がわざとご飯を床にこぼしたとします。
食器の持ち方がうまくできなくてこぼしたのではなくて、わざとの場合です。
これが毎日繰り返されれば大変でしょうから、親としては叱っておきたいものです。
「こらっ!ダメでしょう!」
叱る言葉を言うだけでは、子供に言葉を投げただけですね。
キャッチボールで言えば、相手から距離が離れた場所にボールを投げただけです。
もう少し具体的に、相手が取りやすいボールを投げます。
「ダメでしょう。落としたご飯を拾ってね」
これなら怒られたあとに「何をすればいいのか」が具体的にわかります。
しかしながら、これだけでご飯を拾うことは稀かもしれません。
少しの言葉かけですぐに改善するなら、そもそもイタズラなんてしませんよね(笑)
「落としたご飯を拾ってね」と具体的に言葉にして、それを子供がやってくれるかまでをきちんと見守るのが、「叱る」上でのコミュニケーション、つまりキャッチボールです。
子供が拾わなかったら、「拾って」と繰り返し目を見て言ったり、ご飯のおかわりをあげない。
落としたご飯を拾うという「反省の行動」をしなければ場面が変わらないようにします。
ここが一番難しいところです。
忙しい育児。
子供が言うことを聞かなかったら、ついついイタズラも見逃してしまうものです。
けれど、その「親の見逃し」が習慣化すると、「叱っても響かない子」になってしまうかもしれません。
「ご飯を拾って」と叱ったら、最後まで拾わせる。
子供との根競べです。
そしてご飯を拾ったら、最後に「ごめんなさい」と言うように促します。
お子さんの中には、叱られても悪いと思っていない、反省している様子が希薄な子がいます。
ご飯を拾うというのは「行動の反省」です。
ごめんなさいという言葉は「心の反省」です。
これは両輪で、どちらも大切です。
行動だけでは「やればいい」、言葉だけでは「言えばいい」になってしまいます。
両方やってはじめて心から反省できるのです。
おわりに
叱るというのは難しいものです。
何よりも、
子供を愛しているからこそ、子供を叱るのは親もつらいものです。
しかしその一方で、
子供を本気で叱ることができるのも親しかいません。
保育園も幼稚園も小学校も、
学校の先生は「先生として」しか叱ることはできません。
子供は大人と違います。
親の保護が必要な子供は、ある意味で守られた存在です。
しかしながら、
子供であっても「ダメなものはダメなこと」があって、
それをやってしまったら相応の責任や反省が必要になる。
ということは知らなければならないし、大人になっても必要なことです。
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