2歳児の助数詞の理解
「助数詞」とは1個・1匹など、数の後ろに付いてその性質を表す単位のことです。
助数詞の表出は2歳頃から見られますが、この時期は助数詞を本当の意味で理解しているとは言い難い状態です。
子供は2歳頃から助数詞を使用し始め、おおむね5歳頃にはその仕組みに気づきある程度使い分けることが可能となっていきます。
解説
2歳児の助数詞の使用の様子
助数詞の使用は2歳頃から見られ、この時期は「つ」や「回」を使用するケースが多いです。
つまり2歳児は「1つ」「1回」といった表現を用いる様子が比較的見られます。
一方で、「1匹」「1枚」など多様に数助詞を用いることは難しく、レパートリーが限られている状況です。
また、2歳児の助数詞の使用は1以外の数詞にはあまり見られないことが指摘されています。
つまり「1つ」「1回」という表現は見られても、「2つ」や「3回」といった数が増えた表現はあまり見られないということです。
2歳児の数助詞の理解の背景
以上より、2歳児は助数詞をまとまりとして使用しており、助数詞本来の機能にまだ気づくことができていないと考えられます。
2歳児はまだ「1つ」「2つ」「3つ」のように助数詞部分は同じで数詞の部分だけが変化することで数を表すということに気づけていないでしょう。
これは数概念の発達とも関連していきます。
おおむね子供が3個前後の数を数えることができるのは3歳前後くらいからであり、2歳児はこういった計数(数を数える)の概念が未熟です。
また、「1つ」という言葉が「1」と「つ」という2つの要素に分解できるという概念も難しい時期と言えます。
このような背景から、2歳児は助数詞を用いるもののその仕組み自体は把握できておらず、なかば暗記的にまとまりとして助数詞を使用するのが特徴的です。
言葉の発達から見る助数詞
参考資料
佐藤賢輔、針生悦子(2006)『幼児における助数詞の理解 : 存在論的カテゴリーに注目して』(一般社団法人 日本発達心理学会)2024年9月28日閲覧