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道路は7割の交通量が最もスムーズ|行動経済学

公開日:2023年8月24日


 
 

道路は7割の交通量が最もスムーズ

 車が走る道路は、交通量が容量の70%以下が一番スムーズに機能すると言われています。

 なんでもそうですが、物事はその容量いっぱいに詰め込むより、少し余裕を持った量にとどめるほうがパフォーマンスは上がります。

 
 
 

解説

道路の効率性

 道路は交通量が容量の70%以下に収まっていると、渋滞がなくスムーズに機能すると言われています。

 その道路の長さに入る車の量を100%とした場合、車の量を70%程度にとどめると過度な停止、つまり渋滞がなくスムーズに走行できるということです。

 理屈の上では、誰もが同じスピードで走れば道路は85%車が埋まっても渋滞はしないと言われています。
 しかし実際は、誰もが同じスピードで走ることは難しく、渋滞に至るようです。

 誰かが焦ってスピードを出し、結果として車間が狭くなり急ブレーキを踏む。
 踏まれた急ブレーキは車の急停車を生みます。
 そして車は加速するのに時間がかかります。
 急停車で止まった車は時間差で後ろの車を止め、一定の速度で走ったときより時間のかかる加速を余儀なくされます。

 全ての車が適切な一定のスピードで走るという前提は守られず、ギリギリの容量では道路は渋滞してしまいます。

 
 

道路の効率性からの教訓

 道路の渋滞はあくまで例であり、私達の生活にもっと広い意味での教訓を与えてくれると思います。

 物事がうまく機能するには、ちょっとした不測の事態に対応する余裕が必要です。

 急ブレーキを踏んだときに事故にならないため・渋滞にならないためにはゆとりのある車間が必要です。

 個人の時間やお金についても同様のことが言えます。
 その時間やお金でできることをいっぱいに詰め込むと、不測の事態に対応できる結果として玉突き事故のように予定が狂ってしまいます。

 ちょっとした想定外に対応できるちょっとしたゆとりを持つことは、日々の生活を豊かにする知恵と言えます。

 
 
 

参考資料

センディル・ ムッライナタン、エルダー・ シャフィール『いつも「時間がない」あなたに 欠乏の行動経済学』早川書房、2015年 p237

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