会話術

【会話術】事前に何を話そうか考えても、実際はあまり役に立たない

公開日:2017年5月20日

何を話していいかわからない。
人と話すときに緊張してうまく話せない。

人とのコミュニケーションが苦手な人は人との会話に関しても苦手意識を持つことが多いです。

上手に会話ができるようになりたいと思った時、
誰しも真っ先に行うのは何を話すか事前に考えることではないでしょうか?

しかし残念ながら、
人とのコミュニケーションにおいて、事前に何を話すか考えたいわゆる「ネタ」は役に立たないことが多いです。
 
 
 

なぜ「ネタ」は役に立たないのか?

 
上手なコミュニケーション、円滑な会話というのは
ただしゃべればいいというわけではありません。

コミュニケーションや会話が上手いというのは、
相手との共感・共有といった意思疎通が上手いということです。

この「共感・共有」というのがすごく大事です。
「上手に話す」というのは案外どうでもいいのです。
 
 
 

「ネタ」は共感という観点からズレる

 
例えばあなたが「面白い話」をしないといけないとします。
あなたは事前に起承転結がまとまった面白い話を考えます。

しかし、実際の会話の場面で「面白い話」を振られるのは、
本当にあなたがメインで面白い話をする場合もあれば
他の人の話を引きたてるための前振りである場合もあります。

前者ならあなたの事前に考えた「ネタ」は役に立ちます。
しかし後者ならあなたの「ネタ」はただ長いだけです。

会話が上手いとはこの「状況に合わせて話す内容を変えたり即席で作ったりできること」なのです。
言いかえればこれは「空気が読める」ということになります。

事前に考えたネタは文章としては良くできていますが、空気が読めないのです。
 
 
 

上手な会話とは?

 
上手な会話とは、
事前に破たんのない巧みな話を考えておくことではなく、
場の状況に合わせて必要十分な話をすることです。

では場の状況に合わせるとは具体的にはどうしたらいいのでしょう?

一つは話の長さです。
自分が今どのくらいの話の長さを求められているのか。
それを考えます。

とは言ってもいきなりは難しいかもしれません。
慣れない場合は、常に話すときに話の長さを以下の4パターンの内どれにするか考えましょう。

1.結果だけ話す
(例)「私はドーナツが好きです」

2.結果と理由を話す
(例)「私はドーナツが好きです。なぜなら子供の頃に母がよくおやつに作っていたからです」

3.結果と理由、関連した話題を話す
(例)「私はドーナツが好きです。なぜなら子供の頃に母がよくおやつに作っていたからです。だからコンビニでドーナツを見るとついつい買っちゃうんですよね」

4.結果と理由、関連した話題、さらに別の話題も入れ込む
(例)「私はドーナツが好きです。なぜなら子供の頃に母がよくおやつに作っていたからです。だからコンビニでドーナツを見るとついつい買っちゃうんですよね。そういえばセブンイレブンのコーヒーって新しくなりました?」

基本的には(2)か(3)のパターンを使うことが多いでしょう。
 
 
 

上手な会話とは? その2

 
さらに会話においては相手が「情報」を求めているのか「共感」を求めているのか判断することも重要です。

情報を求めていると思ったら簡潔に相手が知りたいことを伝えてあげましょう。

共感を求めていたら、必ずしも明確な答えを出す必要はありません。
「そうなんだね」「私もそう思う」といった相手を肯定する言葉を使いましょう。

「情報」にせよ「共感」にせよ、
「そんなことも知らないのか」「あなたが間違っている」など
否定的な言葉を言うのは避けましょう。

あくまで相手を尊重し肯定し、思いやりのある対応を心がけましょう。
 
 
 

「ネタ」を話すのは上級者

 
会話においては巧みに話すことより空気を読むことのほうが重要です。

空気を読むのが先で、巧みに話すのは二の次です。

「ネタ」を話すのは場の空気を察知し「今この状況ならこのネタだ」と瞬時に判断する必要があります。
空気を読む力と無数にある会話の引き出しが必要なのです。

つまり事前に何を話すか考えてそのネタを日常会話で使うというのはコミュニケーションの上級者向けテクニックなのです。

コミュニケーションが苦手だから上手になりたいと思うなら、
会話の「ネタ」を考えるより「話の長さ」と「情報か共感か」を瞬時に判断する能力を実践を通して学ぶ方が有意義でしょう。

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