人から悩みを相談されたり、相手の話を聞いたり。
人とのコミュニケーションでは何を話すかよりどう聞くかが重要な場面が多々あります。
聞き上手はコミュニケーション上手。
聞くときに気をつけることを考えていきます。
相手の言葉を待たずに次から次に話してしまう人がいます。
沈黙が怖いのです。
子供が考えながら一生懸命話しているのに、忙しくて「早く話して」とか「言いたいことはもうないのね?」と急かしてしまう親御さんがいます。
大人同士の会話であっても似たようなことが起きます。
会話のペースは人それぞれです。
ゆっくりしたペース=会話が弾んでいない
速いペース=会話が弾んでいる
というわけではないのです。
相手のペースを読みとって、相手のペースで会話をすることが、心地よいコミュニケーションを生みます。
コミュニケーションにおいて共感は重要です。
しかし「共感が大切」と頭でばかり考えているそれが独り歩きしてしまいます。
相手が話している途中なのに、
「わかる、わかる」とか「あるある。私もこの間~」
と勝手にわかった気になって話を進めてしまう人がいます。全然わかっていないのです。
展開を予想して先回りする必要はありません。
その予想が当たっていたとしても、相手は「聞いてもらった」という満足感を得ることができないのです。
相手の話は最後まで聞きましょう。先回りする必要はないのです。
先回りする会話は一見会話が弾んでいるように見えますが、相手はちっとも満足していません。
安易な共感と同様に、
相手の話を安易にまとめることも避けるべきです。
「つまりこういうことでしょう?」「それって結局~だよね?」
話をまとめられても相手はすっきりなんてしません。
聞いてもらえてないと思うだけです。
会話は結果ではなくプロセスが大事です。
一般論や一般的な語句でまとめるのはやめましょう。
相手の話を最後まで聞き、相手の言葉で繰り返すくらいでいいのです。
人の心は複雑です。無理にまとめようとしなくていいのです。
複雑さを複雑なまま受け入れる姿勢が相手を満足させるのです。
相手が自然と答えにたどりつく
人間というのは不思議なもので、正しい答えでも自分が腑に落ちなければ受け入れられないものです。
その人の気持ちが向かないなら、あなたがいくら言っても意味はないのです。
あなたは相手の話を聞き、共感する。
その中で相手が自然と答えにたどりついてスッキリする。
プロのカウンセラーのところに行くと、
「良いアドバイスをもらってスッキリした」ということはあまりありません。
「なんだかわからないけれど話しているうちに自分で解決できた」と思えるものです。
それが聞き上手というものです。
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【参考文献】
『プロカウンセラーの聞く技術 話す技術』マルコ社、2012年