教育にタブレットは必要か?
基本的には、子供の教育にiPadなどのタブレットは必要ないかなと思います。
当然、「タブレットの方が利便性がいい」という状況もあるので、要はケースバイケースで使い分けるということになるのでしょうが。
近年のITテクノロジーの進歩と、インターネット環境の普及と、タブレットが身近になったこともあり、教育にタブレットを導入していくことが家庭でも教育機関でも双方に見られます。
タブレットでしかできないことで、タブレットを使った方が子供の成長が促せるなら、タブレットを使っていいのだと思います。
けれど、冷静に考えてみれば、
タブレットでしかできないことって意外と少なくて、むしろコストがかかったりして、そのわりに「じゃあタブレットを使わなかった場合と比較して子供はより成長したのか?」と問われれば答えが曖昧になることも珍しくありません。
結局のところ、タブレットが必要な場面ではタブレットを使えばいいですが、反対になんでもかんでもタブレットでやろうとしても、それは流行りに飛びついているだけで中身がないのかなと。
なんでもそうですが、
大切なのは方法の使い分けと、効果の見極めです。
ペンはキーボードよりも強し?
プリンストン大学の心理学者パム・ミューラー氏と、カリフォルニア大学の心理学者ダニエル・オッペンハイマー氏らの研究である「ペンはキーボードよりも強し」という論文があります。
上記の研究によると、
学生が授業のノートを手書きでとった場合と、パソコンのキーボードで文字を打った場合とでは、手書きの方が後のテストの点数が高かったそうです。
一見するとタブレットやパソコンなどで文字を打つ方が正確で効率よく思えますが、実際の学習効率では紙に鉛筆で字を書いたほうがいいのかもしれません。
子供にIT機器を与えるなら
以上のように、子供に教育を与えたり何かを経験させるなら、なんでもタブレットというよりはいろんな感覚を活かして行ったほうが良さそうです。
しかしながら、IT機器にまったく触れないというのもいささか極端ですね。
個人的には、
小学校3年生くらいになったらパソコンを使う練習をしてもいいのかなと思います。
文部科学省によると、小学校では3年生くらいからローマ字の学習が始まります。
パソコンのローマ字打ち、つまりタイピングは覚えておいて損はないと思います。
ここでポイントなのは、
IT教育を行うなら、タブレットよりもパソコンを覚えた方がいいのではということです。
画像や動画編集にせよ、プログラミングにせよ、売り上げの計算やグラフ化にせよ、仕事の専門的なことはパソコンで行われています。
おわりに
最近は教育向けのアプリも多く、タブレット学習は何かと流行りですが、なんにせよ「何で学ぶか」よりも「何を学ぶか」を大切にしていきたいものです。
一方で、タブレットの多機能さは、例えば学習障害のお子さんなどへの特別支援教育などで効果を発揮する側面もあります。
参考資料
『The Pen Is Mightier Than the Keyboard: Advantages of Longhand Over Laptop Note Taking』(SAGE journals)2019年12月12日検索
『学習指導要領「生きる力」』(文部科学省)2019年12月12日検索