iPadでYouTubeを流すだけの療育が増えている気がします。
もちろん、療育の時間いっぱい動画を観て終わりという極端な例は少ないでしょうが。
でも療育の一部の時間を、本人が好きな動画を観る時間にあてていることは以前より増えたのではないでしょうか。
一般市場と時差はあるものの、医療や教育現場でもタブレットが普及していきます。
「今までと違ったことができるかも」と漠然とした期待を下に導入されるタブレット。
けれど実際は使いこなせず「ちょっと高価な娯楽道具」にとどまってしまうことも多いです。
これはもちろんタブレットのせいではなく、
道具を活かすか殺すかは使い手次第ということです。
例えばiPadを療育に使うなら、
・スイッチなど外部機器との接続方法
・アクセシビリティー機能
・障害者用アプリをいくつか知っている
などの知識は最低限押さえておきたいものです。
けれど、日々のすることに負われてこれらを勉強する機会はないまま、物だけ目の前にあるということが多い。
そうなるとYouTubeとか手近なアプリにいってしまうんですよね。
iPadでYouTubeをただ流しても、スタッフの支援スキルは上達しないし当事者のスキルも上がらないんですよね。
例えば当事者本人が自分で操作できるような環境設定をしたり、タブレットだからこそできる勉強をしたりするほうが本来は有意義です。
そしてそういう時間を提供するためには、やっぱり支援者の知識や技術が必要になるわけです。
なまじ直感的に操作できて、誰もが使いやすいがゆえに、知識がない人まで使ってしまうのがタブレットの良いところでもあり悪いところでもあります。
もちろん、学ぶ環境の責任もあります。
療育現場でのタブレットの活用方法って、やっぱり情報が少ないです。
書籍も研修会も少ないですいし。
このサイトも、その情報の足しになればとは思っています。
1スイッチで文字入力できるタブレットを低コストで導入する方法
といった感じでちょい批判的な内容になってしまいましたが、
使いこなせる人もそうでない人もいろんな人がタブレットを使っている現状は個人的には嫌いじゃなかったりするんですよね。
物が普及すればするほど、そういう二極化はあると思うので。
「知識がないなら使うな」っていうより、
変に敷居を高くするより「とりあえずなんでもいいから使ってみたら」的な感じでみんなが触っているほうがいいなあと思います。
みんなが触ることで流通して、いろんなアプリが増えて、結果として当事者の方が助かることになるわけで。
そいういう意味で、今は一種の過渡期かなあと楽観している部分もあります。
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タブレット用スイッチインターフェースを自作する。