iPadは画面をタッチして操作することが醍醐味のIT機器です。
しかし上肢障害などにより画面をタッチできない方でも使用する機会があるかもしれません。
具体的には、iPadの携帯性や価格面にメリットを感じた場合です。
そのような場合は支援機器としてパソコンではなくiPadが候補に挙がるかもしれません。
iPadの画面をタッチできない。でも操作したい。
そのように考えたときに外部機機器(スイッチなど)の接続が必要になってきます。
iPadにスイッチを接続する場合、できiPadとiPadタッチャーの2つが有名です。
以前の記事でも取り上げましたが、今日は比較をメインに書きたいと思います。
関連記事
・できiPadとは?
・iPadタッチャーとは?
【概要】
<できiPad>
できiPadは、「できマウスプロジェクト」で扱っているiPad用の機器です。
「できマウスプロジェクト」は障害があってもパソコンを操作したいという思いを実現するためにできたサイトです。さまざまな支援機器を取り扱っています。
補足記事:できiPadとは?
iPadタッチャー
iPadタッチャーは福祉機器を作製・販売している「アシステック・オンラインショップ」の商品です。
補足記事:iPadタッチャーとは?
販売元は違いますが、どちらも福祉目的としてiPadにスイッチをつなぐための機器です。
【接続方法】
<できiPad>
Bluetoothにより無線で接続します。
<iPadタッチャー>
ぺたぺたとくっつく導電ジェルにより画面に直接くっつけます。
そのため有線接続となります。
【つなげるスイッチ】
どちらも3.5ミリジャックのスイッチをつなげることができます。
<できiPad>
最大4つのスイッチをつなげることができます。
<iPadタッチャー>
スイッチは1つしかつけられません。
複数つなげる場合は機器がもう一つ必要になります。
【バッテリー】
<できiPad>
コンセントと乾電池を選べます。
乾電池の場合は単3電池を4本使用します。
<iPadタッチャー>
単4電池を2本使用します。
【価格】
<できiPad>
大体1万6千円くらいです。
バッテリーをコンセントにするか乾電池にするかで価格が少し変わります。
<iPadタッチャー>
3千円くらいです。
【その他】
<できiPad>
同じサイトで扱っているジョイスティックなどをつなげることもできます。
<iPadタッチャー>
導電ジェルは消耗品です。購入時にスペアがついていますが、スペアを使い切ったらジェルをまた購入する必要があります。
【長所・短所】
<できiPad>
○複数のスイッチでの使用もできる
○豊富な設定機能
○無線で接続できる
×使い方が難しい
×スイッチに対応しているアプリでないとあまり使えない
×比較的高価
<iPadタッチャー>
○価格が比較的安い
○使い方が簡単
○シンプルだが利用の幅は広い
○スイッチに対応していないアプリでもある程度対応できる。
×複数のスイッチ操作には向かない。
×粘着部分など消耗品がある
【まとめ】
どちらもスキャン操作により1スイッチで文字入力ができます。
機器としてはできiPadのほうが使用の幅も扱う難しさもレベルが高い機器と言えます。
しかし、iPadタッチャーではできるのに、できiPadではできないといったことも多々あるので、ケースバイケースで使い分けることが大切です。
個人的には価格も安くシンプルなiPadタッチャーをまず使ってみて、iPadタッチャーで難しいことをできiPadで対応するといった流れが効率的ではと考えます。
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