ぐずった子供にお菓子をあげるという習慣
状況にもよるのでしょうが、
ぐずった子供を静かにさせよう・おとなしくさせようという理由でお菓子をあげるという習慣は好ましくありません。
確かに子供が何かを食べている間はおとなしくなるかもしれません。
しかし、子供がなぜそこで静かに待てないのかということを考えなければ問題の本質は解決しません。
お菓子で静かにさせることが良くないことはわかっている。
それでも大変で、ついついやってしまう。
そうかもしれません。
しかし、子育ては往々にしてそうですが、
問題を先延ばしにすればその「つけ」はあとからやってきますし、子供のためにどこかで「踏ん張らないといけないタイミング」があるものです。
お菓子をあげてはいけない理由
子供の静かにさせようとお菓子をあげてはいけない理由は主に2つあります。
1つは単純に虫歯になりやすいからです。
同じ物を食べるにしても、
常に何かを口に入れている「ダラダラ食べ」は虫歯のリスクを高めます。
またダラダラと間食をすることで朝・昼・夕のメインの食事に集中できなくなる可能性もあります。
もう1つの理由は心理学に基づきます。
子供を静かにさせようとお菓子をあげていると、
「騒ぐ」「駄駄をこねる」ようにすればお菓子をもらえるという習慣が形成されてしまいます。
人間は自分の望ましい結果になるように無意識に習慣形成をしていきます。
お菓子が欲しければ、お菓子をもらえた直前にどんな言動を自分がしていたかを子供は無意識に考えます。そしてお菓子が欲しい時はそれを反復します。
こういった考え・解釈は行動心理学、応用行動分析などと言われたりもします。
いずれにせよ、
「こまった行動(静かに待てない)」と「好きなこと(お菓子がもらえる)」をセットにすることは避けたほうがいいです。
静かにして欲しい時はどうしたらいい?
子供に静かに待っていてもらうという行為は一朝一夕では身につきません。
子供の状況と上達を見ながら、一歩一歩やっていく必要があります。
そのめんどくささを親が踏ん張れないなら、子供が落ち着いて待つことはできないでしょう。
まずは短い時間で子供が待てたかどうかを見てあげます。
たとえ10秒でも1分でも、子供が待てたらまずは褒めてあげます。
あるいは「○○ちゃんが待っててくれたからお母さん助かったよ。そのぶん時間ができたから一緒に遊ぼっか」などのように、
「待つ」ことでどんな「いいこと」につながったかを明確に伝えます。
子供は因果関係を見出すことがまだ未熟だからです。
さらに、
「お絵かきでお母さんを描いてみて」
「この絵本から動物を全部探してみてよ」
など、上手な待ち方を教えてあげます。
最初はうまくいかないかもしれませんが、
その子に合った、ある意味で上手な「時間の潰し方」を探してあげるのです。
おわりに
子供に落ち着きを持ってもらったり、待ってもらうという行為は花を育てることと似ています。
やっと芽が出たと思っても、そこで雑に扱ってしまうと途端に枯れてしまいます。
ずいぶんと芽が伸びると、最初の頃より丈夫ですが、やはりそこのあぐらをかいてしまうと途端に折れてしまいます。
子育ても共通しています。
少し子供が待てるようになったからといって、いつでも長時間待たせていれば子供は耐えられなくなります。
子供ができるようになった段階を常に褒めてあげて、それが当たり前ではなく常に育んでいくものであることを念頭におきます。
そうやって、一歩一歩習慣を形成していきます。