子供と見る、あるいは子供に見せることを想定した検閲的レビューです。
適宜ネタバレも含みますのでご了承ください。
攻殻機動隊は子供向けか?
攻殻機動隊はSFアニメとしては非常に興味深くおもしろい作品ですが、幼い子供(幼児や小学生)には難しすぎて適さない作品ではと考えます。
攻殻機動隊は原作漫画から派生するかたちで様々な作品が作られています。
ストーリーや雰囲気、細かな設定は作品によってずいぶん異なります。
そんな攻殻機動隊における代名詞的な作品の1つが、押井守氏が手掛ける「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」ではないかと思います。
以下、「GHOST IN THE SHELL / 攻殻機動隊」について言及していきます。
解説
攻殻機動隊は話が難しい
攻殻機動隊は非常に話が難しい作品であると思います。
大人でも難解であり、子供ならなおのことでしょう。
個人的にアニメや映画の「難しさ」は2種類あると考えます。
1つは、扱うテーマ自体が難しいという点です。
「明確な正義と悪がない」や、「様々な解釈ができる」といったストーリー構成です。
そしてもう1つは、本編における解説や説明が少ないという点です。
ストーリー理解に必要な設定や世界観の言及がされておらず、予備知識が必要なものがこれにあたります。
攻殻機動隊はこの2つどちらの難しさも含む作品だと思います。
人間そっくりの機械を作れる科学技術と、人の記憶をコンピューターにバックアップできるテクノロジー。
これらがある世界において人は自分のアイデンティティをどのように捉えるのか。
こういった哲学的なテーマを扱いながら、その世界観や設定やの説明は最小限にとどめられています。
攻殻機動隊はSF映画を見たことがない人にとっては、大人でも理解するのにたいへんな作品では思います。
グロ描写と性的描写
攻殻機動隊を子供に見せるには辛いなぁと思える理由のもう1つが、グロテスクな描写が度々ある点です。
特に攻殻機動隊は全体的に暗い物静かな雰囲気があり、ちょっと「怖い」作風です。
そんな中での銃撃戦や人間そっくりのアンドロイドが破壊されていく様子はなかなか刺激が強いです。
また、主人公の女性(草薙素子)が潜入任務のために服を脱ぐシーンがあり、これも幼い子供と見るには抵抗があるシーンかもしれません。
ちなみに草薙素子は体のほとんどを機械化しているため厳密には服を脱いだ姿は生身ではないのですが、生身と区別がつかないほど精巧なためほぼ全裸であると言えます。