注意の集中・持続の弱さに着目した九九の指導方法
九九に限らずですが、学習の指導はその子の特性に合わせたものが有意義です。
九九の学習においてその子に注意力の弱さが見られる場合は、反復練習を飽きさせない工夫が必要です。
九九を暗記し正しくスラスラ言える状態を専門的には「自動化」と言います。
九九を自動化するまでの過程において、注意力の弱い子が九九に対しネガティブなイメージを持ってしまわないよう配慮しましょう。
解説
注意の集中・持続の弱さ
注意の集中・持続の弱さが見られる子の場合、九九の練習量が十分に確保されない可能性があります。
九九をひたすら唱えるといった学習に飽きてやらなくなってしまう。
仮にやっていても頭に入っていないなどです。
これらにより、1度誤って覚えた九九を修正できなかった。途中で嫌になり後半の段を覚えていないなどの事態が考えられます。
このような事態を避けるために、根性論ではなくその子の特性に合った指導方法が大切です。
注意の集中・持続の弱さをカバーする九九の指導
その子に注意の集中・持続の弱さがある場合、問題数を絞って質を重視して指導することが有意義です。
1回の練習時間を短くした上で、反復練習を飽きさせない工夫が必要になります。
また、「2×3」と「3×2」の答えは同じであるという、いわゆる交換法則の理解を促すことも大切です。
注意の集中・持続に弱さがある子に限った話ではありませんが、九九につまずく子の中には交換法則の理解が不十分で、後半の段もとにかく暗記しようとする子がいます。
参考資料
『九九学習で誤答率の高い九九の要因と特異数』(一般社団法人 日本LD学会)2021年12月16日閲覧
『算数障害を有する児童に対する九九の自動化のための学習支援』(上越教育大学)2021年12月16日閲覧
『通常の学級に在籍する児童への特別支援学校のセンター的機能を通したわり算指導に関する一考察』(一般社団法人 日本LD学会)2021年12月16日閲覧