男女の関係だけでなく、
あらゆる人間関係は距離感で違ってきます。
良好な人間関係を築くことは、良好な距離感をとることでもあります。
川北義則氏の「人との距離感がわかる人、わかっていない人」を参考に、人間関係の距離感について考えます。
今日は、あえて相手との距離感を変えないのはどんなときか。
立ち場が変わっても、友達でいていい
人生にはいろんなことが起きます。
学生の頃は似たようなことを話し、似たような生活をしていた2人が、仕事を始めると立ち場が全然変わってしまうことはよくあります。
収入や社会的地位、家族の有無。
人の立場を変えてしまう出来事は人生に多々あります。
相手が友達であれば、大切な人であれば、立場が変わっても距離感を変える必要はありません。
同じ人間同士です。
たとえ相手が仕事で大成してセレブになっても、
仕事で失敗して借金を背負っても、
昔と同じように仲良く接すればいいのです。
立ち場が変わると距離感を変える人がいる
自分の立場が変わっても同じです。
立ち場が変わったからって、変に卑屈になったり、驕ったりする必要はありません。
一方で、
世の中には立ち場が変わると距離感を変える人がいるのも事実です。
そんなとき、人は戸惑ってしまいます。
けれど、自分自身は、無理に変わる必要はありません。
大切な人達との距離感を自分から変える必要はないでしょう。
立場の変化に合わせて柔軟に距離を保つ
ダイビングが趣味である40代の男性グループがありました。
彼らはたびたび一緒にダイビングに行っていました。
あるとき、グループのうちの一人の状況が変わりました。
娘が重い病気になったのだそうです。
彼はしばらくダイビングからは離れることを残りのメンバー達に言いました。
話を聞いた残りのメンバー達は、彼をダイビングに誘うことはやめました。
けれど残りのメンバーでのダイビングは続けました。
彼をきっかけに残りのメンバー全員までダイビングをやめたら、彼が気を遣ってしまうと思ったからです。
ダイビングこそ誘わなくなったものの、メンバーは彼と連絡は変わらず取り続けています。
飲み会があれば声もかけます。
彼は出席するときもあればしないときもあります。
けれどメンバーは彼の出欠にこだわらず、あくまで気楽に誘います。
飲み会で一緒になれば互いに家族の話もします。
彼は病気になった娘の話も普通にします。
けれど周りもそれを根掘り葉掘りとは聞いたりしません。
そうやって互いの距離をちょうどいい距離に保つことで、互いの立場が変わっても人間関係が続きます。
長期的な人間関係を築くということは、立場の変化に合わせて柔軟に従来の距離を保てるということなのかもしれません。
本当に気を遣うことができる人は、気を遣っていることを相手に感じさせないものです。
おわりに
人生は長く、その時期によって自分の置かれている環境は大きく異なります。
人間関係が流動的に変化していくことは不思議なことではありません。
けれどその一方で、
状況が変わっても関係が変わらない人間関係というものがあります。
それを人は「親友」と言ったり「パートナー」言ったり「大切な人」と言ったりします。
時間の流れの中で、立ち場が変わっても、変に卑屈になったり驕ったりする必要はありません。
相手が友達であれば、友達のままでいいのです。
長期的な人間関係を築くということは、立場の変化に合わせて柔軟に距離を保つということです。
その他の記事
参考資料
川北義則『人との距離感がわかる人、わかっていない人』三笠書房、2015年