いろいろな暗黙のルール

【暗黙のルール辞典】飲食店で気をつけること

公開日:2017年2月12日

世の中には暗黙のルールがあります。
アスペルガー症候群や発達障害を持つ人にとってはこの暗黙のルールを気づき理解することが難しい場合があります。

ソーシャルスキルトレーニング(SST)において暗黙のルールを理解することは重要です。
 
 
 
【飲食店で気をつけること】
飲食店は
・店員さんに対する接し方
・一緒に来た人とのコミュニケーション
・食事マナー
・場の雰囲気を読む
・自然な注文や支払などの動作

などいろいろなソーシャルスキルが混ざり合ったシチュエーションです。

いろいろなソーシャルスキルが混ざっているので何をどうすればいいのか戸惑うこともしばしば。
初めて行くお店なら特にそうでしょう。

しかい飲み会やランチ、打ち合わせなど人とコミュニケーションをとる際に飲食店が利用されることは多いです。

飲食店でのソーシャルスキルを身につけると強みになります。

今日は飲食店で必要になるソーシャルスキルを見ていきましょう。
 
 
 
【程よいお店を利用しよう】
軽く食事をしたいだけなのに高級レストランを予約されたら引いてしまいます。
せっかくはじめてのデートなのにチェーン店のファミレスだったらがっかりです。

安いお店が良いとか悪いとか、チェーン店はダメとか、高級店ならOKとかそういうことではないのです。
良いお店と悪いお店があるのではなく状況に適したお店がその都度あるということです。

もしあなたがお店を選ぶ人になったら、その時点からあなたのソーシャルスキルは試されています。

補足記事:お店の決め方
 
 
 
【上座と下座】
日本には上座と下座という考え方があります。
上座は目上の人が座る席。下座は目下です。

厳密な上座・下座の位置はググってもらうとして、
人との食事ではなんとなく座る場所が決まっている場合があります。
基本は、奥の席や落ちつける席に目上の人が座ります。

上座・下座以外にも、ソーシャルスキル的には座席に気をつけることがあります。

幹事や注文をとる人は通路側の席に座ることが多いです。
付き合ってない男女複数名で食事をするなら同性同士で固まって座るほうが自然でしょう。

付き合いたての恋人なら相手を上座にしてあげたほうがスマートです。
でも相手が譲り返してくれたら無理にこだわらなくて大丈夫です。

喫煙のお店なら煙草を吸う人は吸う人同士と、吸わない人は吸わない人同士で席を固めた方が都合が良いでしょう。

友人同士や気楽な食事くらいなら席はあなたが決める必要はありません。
規模が大きい会社の飲み会の幹事でしたら、くじなどでみんなの座る席を決めておいた方がスムーズな場合もあります。
 
 
 
【店員さんには親切に接する】
たとえお客さんであっても店員さに横柄な態度をとらないことはマナーです。

店員さんに横柄な態度を取ってあなたが周りからの評価が上がることはまずありません。

店員さんには敬語で話しましょう。
料理が運ばれたり店員さんが何かしてくれたときは「ありがとうございます」を言いましょう。

料理の悪口を言う必要はありません。
「○○のお店のほうがおいしい」などグルメ自慢もいりません。
 
 
 
【注文はスムーズに】
注文はスムーズに行いましょう。
他の人がもう決めたのに自分だけだらだらと時間をかけてはいけません。
あなたが決めないと他の人も注文しづらいです。

一人だけ調理に時間がかかりすぎるものを注文するのは避けましょう。

食べたいものを食べるのも大事ですが、スムーズに注文して場の雰囲気を保つことも大切です。
 
 
 
【噛みながらしゃべらない】
人との食事はコミュニケーションの場ですが、
食べ物を口に入れたまましゃべってはいけません。

飲み込んだあとに話すか、どうしてもしゃべらないといけないときは手で口元を隠すようにしてしゃべりましょう。

また、噛むときは「くちゃくちゃ」音を立てないようにしましょう。
唇と閉じて噛むと「くちゃくちゃ」という音はしにくくなります。
 
 
 
【はじめは取り箸が無難?】
取り箸とは、料理を取り分けるために使う、誰も口をつけていない箸のことです。

みんなで食べる料理を直接自分の箸でとることを直箸(じかばし)と言います。

取り箸は使う方が無難です。
直箸を嫌がる人はいますが取り箸で不快な気持になる人は少ないです。

ここでポイントになるのが、取り箸にこだわりすぎないということです。

取り箸を使おうとする姿勢は、「相手が不快に思わないように」という配慮が伝わります。
しかし取り箸にこだわりすぎると今度は相手は「自分と直箸になるのが嫌なんだな」とネガティブな印象をもってしまいます。

まず取り箸を使おうとして、相手が「気を使わなくても、直箸でいいよ」など言った場合はすっと直箸にするくらいがいいです。

取り箸や直箸に関連して、
自分が口をつけていない方の先端で料理を取る「逆さ箸」というのもあります。

逆さ箸は教科書的なマナーとしてはNGに該当します。

しかし実際では取り箸がないシチュエーションというのがあるでしょう。
そういうときには取り箸をお店の人にもらうか、
雰囲気が大丈夫なら直箸でいくか、
取り箸をもらえるような状況でもなく、直箸で取っていい雰囲気かもわからないときは一度逆さ箸で取ろうとして周囲が「別に直箸でいいよ」と言ってもらってから直箸にするのが無難でしょう。
あるいは周りがしているように合わせます。
 
 
 
【食べるペースを合わせる】
食べるスピードは遅いのがいいとか速いのがいいとかではありません。
周りのペースに合わせることが大切です。

遅すぎたら、食べ終わった人を待たせてしまいます。
速すぎたら、相手に「待たせてしまって申し訳ないな」と思わせてしまいます。

でもペースをぴったりに合わせ過ぎても気持ち悪いです。

会話をしつつ、自分の食事のペースを気をつけましょう。
だいたい同じくらいに食べ終わるのがベストです。
 
 
 
【お会計のタイミング】
友人同士の食事なら、会計は一緒に行ってそれぞれ払えばいいでしょう。

飲み会の幹事なら、飲み会が終わるちょっと前、追加注文がもうないであろうタイミングに会計を済ませておきます。

誰かと二人で食事に行ったときの「おごる」「おごられる」の関係性は状況により異なります。

補足記事:「おごる」「おごられる」「割り勘」の判断基準について

-いろいろな暗黙のルール

テキストのコピーはできません。