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プラセボ効果の解決策|プラセボバランスデザインとは?

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プラセボバランスデザインとは?

 プラセボバランスデザインとは、実験においてプラセボ効果を排除して効果測定をするための方法の1つです。

 プラセボバランスデザインでは、実験群と統制群さらに「効果がある」と伝えた群と「プラセボである」と伝えた群に分けます。

 
 
 

解説

プラセボ効果とは?

 プラセボ効果とは、本来(薬などの)効果がないのに本人が思い込むことで得られた効果のことです。

 例えば「毎日ランニングをした人は健康になるのか?」という実験があったとします。
 このときランニングそれ自体ではなく、「自分は毎日運動をしているんだ」という気持ちや達成感から健康になった場合、それはプラセボ効果と言えます。

 薬やトレーニングの効果判定をする場合、このプラセボ効果を取り除くことが重要です。

 
 

プラセボ効果と倫理的配慮

 プラセボ効果を排除する最も簡単な方法は、実験意図や効果を参加者に伝えないことです。

 しかしながら、実験内容を伝えず実験に参加させることは倫理的な問題があります。

 また、何かのトレーニング効果を測る実験であれば、トレーニングをするうちに参加者が実験意図を察する・気づく可能性もあります。

 こういった背景から、プラセボ効果を排除するにはもう少し込み入った方法を用いる必要が出てきます。

 
 

能動的統制群とプラセボバランスデザイン

 実験結果を比較する場合は、統制群は能動的統制群を用いるほうがより優れた手続きと言えます。

 そして、実験群と統制群をそれぞれ「実験に効果がある」と伝えた群と「プラセボである」と伝えた群に分けます。

 これによって参加者の実験に対するスタンスをそろえて比較することができるようになります。

 
 
 

受動的・能動的統制群とは?

 
 
 

参考資料

『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索

『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索

『Training of Working Memory in Children with ADHD』(ResearchGate)2022年8月6日検索

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