療育を受けるのに診断は必要なのか?
療育を受ける際に「自閉症スペクトラム障害」などの診断を受ける必要はあるのでしょうか。
医療施設での療育を受ける場合であればほぼ診断は必要になります。
ただし自由診療で開業された「ことばの教室」などであればその限りではないでしょう。
解説
診断の有無
療育とは、医療的ケアが含まれた教育(あるいは保育)のことを指します。
一般的に療育は発達障害などに関連した診断を伴う子供が受けるものですが、そもそも診断を受けないと療育は受けることはできないのでしょうか。
つまり発達の遅れを感じるけれど、診断名をわざわざつけずに療育だけ受ける。こういったことは可能なのでしょうか。
自分の子供に何らかの診断がつくか否かは当然親の関心事ですから、診断と療育の関係もまた関心事と言えるでしょう。
療育施設の種類
療育を受ける際に診断は必要か。
これは療育施設の種類によります。
医療施設での療育ではほぼ診断は必要と考えていいでしょう。
なぜなら医療施設での療育は医師の診察・指示による「医療行為」だからです。
健康保険証を提示することからもわかるように、医療施設は医療行為により「診療報酬」、つまり利益を出しています。
このため医療施設での療育はその構造から基本的には診断が必要となります。
「自閉症スペクトラム障害」という名称に限らず、「発達性協調運動障害」「言語発達遅滞」など何らかの診断名がカルテには記載されることでしょう。
一方で、自由診療で療育を行っている場所ではその限りではありません。
これらはその施設ごとの方針によるでしょう。
診断は受けたほうがいいのか
診断を受けるか否かは個人の自由です。
発達の遅れが示唆されても、最終的に医師の診断を受けるため足を運ぶか否かは本人と家族の自由と言えます。
しかしながら、自分だけでなく専門家に相談して広い視野で子供の成長をサポートすることは大切だと思います。
また診断と言う客観的なものによって、周囲(例えば学校や保育園、職場)に理解してもらいやすくサポートを得やすくなる場合もあります。
子供に診断がつくか否かは親にとってとても大きな出来事だと思います。
だから周囲と相談しながら、心を落ち着けながら、少しずつ丁寧に一歩一歩物事を選択していけるといいのではないでしょうか。