療育コラム

インリアルアプローチとは?|発達障害児の療育の方法

公開日:2022年10月19日


 
 

インリアルアプローチとは?

 インリアルアプローチとは、子供の言葉やコミュニケーションの発達を促す手技の1つです。

 互いの行動や気持ちを丁寧に言語化するなど、接し方の工夫によってコミュニケーションの相互性や意図の理解を促します。

 インリアルアプローチは手技の分類としては語用論的アプローチに該当します。

 
 
 

解説

語用論とは?

 語用論とは、言葉の意図に着目した理論です。

 人は人とのコミュニケーションにおいて、言葉通りの意味とは別の意図で「語」を「用いて」います。

 例えば「この部屋暑くない?」という言葉は暗に「エアコンつけていい?」や「窓開けていい?」という意図を含んでいるでしょう。

 このように人は言葉を辞書通りに使っていることはむしろ少なく、その奥にある意図でコミュニケーションをとっています。

 語用論の理解は、「皮肉」「比喩」などの理解には欠かせない概念です。

 
 

語用論的アプローチとは?

 語用論的アプローチとは、文字通り語用論に着目したアプローチ方法です。

 子供の言語・コミュニケーションの発達を促す上で、言葉やコミュニケーションの意図の理解に着目したのが語用論的アプローチです。

 
 

インリアルアプローチの位置付け

 インリアルアプローチは特定の課題や学習法というよりは、日々の子供との接し方における工夫と言えます。

 冒頭で述べたように、インリアルアプローチは語用論的アプローチの1つになります。

 自由会話などでのコミュニケーションにおいて、子供に語用論の理解、コミュニケーションの相互性を促す接し方の工夫をしていきます。

 具体的にはお互いの行動や気持ちを言語化する、模倣する、これらを行うために子供を観察する・接する時間を十分にとるなどがあります。

 このため、インリアルアプローチは単独で行う手技というよりは、子供との接し方のベースとなるものと言えるでしょう。

 インリアルアプローチの詳細としては、「SOUL」という基本姿勢が重要になります。

 以下、この「SOUL」について見ていきます。

 
 

「SOUL」とは?

 
 
 

参考資料

『語用論的アプローチによる言語指導』(一般社団法人 日本特殊教育学会)2022年9月11日閲覧

『自閉症における語用論研究』(心理学評論刊行会)2022年9月11日閲覧

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