性教育は何歳から?
性教育は何歳から行うものなのでしょう?
言いにくい・説明しにくいですが、大切なことですよね。
あくまで目安ですが、
子供への性教育は5歳頃から段階的に行うことが考えられます。
以下、もう少し詳しく。
子供への性教育の意義と時期
文部科学省によると、
小学校の性教育はおおむね4年生頃から始まります。
思春期の体の知識を保健体育で教えてもらった記憶がある人も多いでしょう。
学習指導要領を見ると、内容としては思春期の体の変化・心の変化を主に扱っています。
一方で、「日本の性教育は海外に比べて遅れている」なんて話を耳にしたことがある人もいるのではないでしょうか。
実際のところどうなのでしょう?
国際的な性教育のスタンダートってどんなものなのでしょう?
世界的な性教育の指針として、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」というものがあります。(英語ですが、ネットで無料で読むことができます)
このガイダンスによると、
5〜8歳頃に、「赤ちゃんは卵子と精子が結合してできる」などといった簡単な仕組みを取り扱います。
9〜12歳頃には、避妊具があることや、早すぎる妊娠は健康上好ましくないことなどを学習します。
以後、年齢に合わせた性教育が続きます。
日本の人は「性教育」と聞くと性行為についてだけ考える人も少なくないのではないでしょうか。
海外の場合、「性教育」とは性行為だけでなく、体の仕組みや同性愛、ジェンダーやそれに関する差別、恋愛関係の中での自分や相手の体を大切にする方法などなど非常に幅広く具体的に扱います。
包括的な性教育
国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、性教育で扱う内容を主に8つの分野(コンセプト)に分けています。
そしてそれぞれのコンセプトで学習内容を5〜8歳、9〜12歳、12〜15際、15〜18歳と4つの段階に分けて想定しています。
1つのコンセプト・1つの年齢だけでもなかなかのボリュームです。
そのため今回はあくまでその一部を見てみましょう。
8つのコンセプトのうちの性行為(生殖)の一部についてです。
5〜8歳では、
「赤ちゃんは卵子と精子が結合してできる」などといった簡単な仕組みを取り扱います。
・9〜12歳では、
避妊具があることや、早すぎる妊娠について健康上のリスクなどを学習します。
・12〜15歳では、
意図しない妊娠や、それを防ぐ方法などを学習します。
・15〜18歳では、
妊娠の際、母子共に健康であるための知識を学習します。
おわりに
以上のように、
海外と比べると日本の性教育は単純に遅いというよりは、扱う範囲が狭くて抽象的な印象を受けますね。
ちなみに、「性教育を行うことで子供が余計に性に関心を持ってしまわないか」と不安になる親御さんもいるのではないでしょうか。
しかしながら、
正しい性教育はむしろ子供に適切な性に関する行動を促し、リスク回避にもなります。
具体的には早すぎる妊娠を避けたり、パートナーを傷つけない関係を構築できたりなどです。
学校も親も性教育はなんとも扱いにくい分野ですが、子供の健康のためにしっかりと話し合える機会を設けたいものですね。
参考資料
『性教育について』(文部科学省)2020年3月22日検索
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(ユネスコ)2020年3月22日検索