日本の性教育は遅れてる?
日本の性教育は、海外と比べると遅れていると言われています。
「遅れている」とは教える年齢・時期が遅れているという意味合いと、性教育そのものに対する捉え方が古いという意味合いがあると思います。
個人的にですが、日本の場合は「性教育そのものに対する捉え方」が古いのではと思います。
日本の性教育は海外と比べると内容が非常に限定的で曖昧である印象を受けます。
以下、もう少し詳しく。
性教育の指針
文部科学省の学習指導要領によると、
日本の性教育は主に4年生頃から始まり、
内容としては思春期の体の変化・心の変化を主に扱っています。
一方で、世界的な性教育の指針の1つとして、ユネスコの「国際セクシュアリティ教育ガイダンス」というものがあります。
このガイダンスを見てみると、
「性教育」とは性行為だけでなく、体の仕組みや同性愛、ジェンダーやそれに関する差別の問題、恋愛関係の中での自分や相手のの体を大切にする方法などなど非常に幅広く具体的に扱います。
扱う単語も年齢に合わせてより具体的になっており、日本の何かを伏せたような表現とは対照的です。
「性教育」というと性行為だけを取り扱うイメージがありますが、
海外における性教育とは性に関する様々な知識と、それらに対する正しい関わり方も教育し非常に幅広い分野であることがわかります。
包括的な性教育
国際セクシュアリティ教育ガイダンスでは、性教育で扱う内容を主に8つの分野(コンセプト)に分けています。
1つ1つのコンセプトだけでもなかなかのボリュームですが、概要としては、
・性教育の上での家族などの関わり方
・性教育に関する価値、権利、文化などの側面
・性別について
・性にまつわる暴力や安全性について
・性教育に関する健康と幸福のためのスキル
・人体と発達
・他者に性的な魅力を感じることや性的行動
・性行為について
などです。
そしてこれらについて
・5〜8歳
・9〜12歳
・12〜15歳
・15〜18歳
と年齢に合わせた段階ごとの学習指針が想定されています。
おわりに
以上のように、海外と比べると日本の性教育は「性行為」を意識しすぎて、あまり具体的な教育ができないでいる印象を受けます。
そうではなくて、もっと性に関する全般的なことや、そういうことをどう話しどう関わっていくかというところまで学習する必要があるのではと思います。
参考資料
『性教育について』(文部科学省)2020年3月22日検索
『国際セクシュアリティ教育ガイダンス』(ユネスコ)2020年3月22日検索