1. 質問応答関係検査とは?
質問応答関係検査とは言語検査の1つです。
2歳台から就学前までを対象とした小児用の検査です。
口頭で出された問題を口頭で答えてもらうという「しゃべり」が主な内容の検査になっています。
対象児の会話能力を健常な発達と比較して評価ができます。
また、検査内容は10項目程度に分類されており、それぞれの項目の成績のばらつきもみることができます。
質問応答関係検査は実施の仕方が割とシンプルで、行いやすい検査です。
検査時間もそんなに長くなく、30分前後あれば大丈夫かなと思います。
価格は2000円くらいで検査の類としてはお値段もお手頃。
2. 質問応答関係検査の内容
質問応答関係検査の項目は以下のようになっています。
・日常的質問
・なぞなぞ
・仮定
・類概念
・語義説明
・理由
・説明
・系列絵
・物語の説明
・文章の聴理解
各項目とも数問から10問前後の問題があります。
細かい検査方法は検査購入後のマニュアル参照が必要ですが、問題内容だけならネット上にPDFがあるので見ることができます。(最後の「参考資料」をご参照)
3. 質問応答関係検査からわかる言語発達
質問応答検査を参考に、日常でありがちな質問に75%以上の子供が答えられる年齢の目安をみてみましょう。
例えば、「何歳?」と聞かれて自分の年齢を答えることは、3歳頃に75%のお子さんができるようになります。
以下、その他の質問もいくつかピックアップしてみます。
・「お名前は?」:3歳頃
・性別を答える:3歳頃
・「何組さん?」:3歳頃
・「お昼ご飯は何食べた?」:3歳頃
・「幼稚園はどこ?」:5歳頃
・「お誕生日は?」:6歳頃
・「今日は何曜日?」:6歳頃
・「今の季節は?」:6歳頃
・「今日の天気は?」:6歳頃
何組さんか答えるのは3歳頃かできますが、幼稚園(保育園)の名前自体は5歳頃にならないと難しいのですね。
4. まとめ
質問応答検査は実施方法がシンプルで行いやすい検査です。
検査時間もそこまでかからないので、他の検査と組み合わせて行うことが多い検査です。
質問応答関係検査だけで言葉の遅れをまんべんなく評価することができません。
例えば質問応答関係検査の場合、読み書きの評価などはできません。
検査項目にないからです。
また、人見知りやそのほか言語表出に困難さがあるお子さんの場合は検査に適しません。
ある程度しゃべってくれるお子さんでないと質問応答関係検査は成り立たない。
しゃべらないお子さんには検査者の話を聞いて指さすだけで済むような検査が必要です。
例えばPVT-Rなど。
いずれにせよ、質問応答検査は実施すれば「お名前は?」といった割りと日常生活に必要な応答能力が見れるのでいろいろ参考になる検査です。
5. その他の記事
6. 参考資料
『質問一応答関係検査1』(J-STAGE)2018年6月20日検索
『質問一応答関係検査2』(J-STAGE)2018年6月20日検索