子供の吃音は意識させないほうがいいのか?
子供のどもりに触れず、周囲が本人に意識させないようにしたからといって吃音が治るわけではありません。
吃音をネガティブに捉えさせるような促しはいけませんが、意識させないからといって軽減するとも限りません。
吃音を良い意味でタブー視しない対応が望ましいと考えられます。
解説
吃音は治らない?
吃音はおおむね2~4歳頃に発症し、発症から4年で約7割強の人が自然回復します。
このため発症から4年経っても吃音が変わらず存在する人は、吃音がその後も持続する可能性があります。
現代の医学では吃音を根本的に治療できる方法は確立されいません。
このため、「吃音は治さなければいけない」という強迫観念的プレッシャーは、本人の負担になります。
なぜなら本人の努力で治せる類のものではないからです。
周囲の理解が得られる環境
このため周囲は本人に対して「吃音があってもいい」「自分の言葉で自分らしく話せることは尊いことである」という受容的な姿勢が大切になってきます。
このような背景から、吃音をネガティブに捉えることは避けたほうがいいですが、逆に吃音のことに触れずタブーにすることも好ましくありません。
そもそも吃音のある子供を対象にした調査によると、
2歳で半数、5歳で8割以上の子供が自分の吃音に気づいています。
このため周りが知らないふりをしていても、本人はとっくに自覚している可能性が高いです。
吃音のある子供への接し方
吃音のある子供について、話し方を矯正するような行為は避けたほうがいいでしょう。
からかいはもちろんいけません。
一方で、「なぜどもるのか」や「吃音とは何か」などを前向きに話すことができる環境は悪くありません。
本人にとって、家族や支援者が相談できる相手であることは当たり前ですが大切なことです。
補足記事
参考資料
『吃音』(ICD-10)2018年7月15日検索
『吃音症の遺伝学』(日本小児耳鼻咽喉科学会)2021年11月20日検索