心理学

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トンネリングとは?|心理学・行動経済学

公開日:2022年12月2日


 
 

トンネリングとは?

 「トンネリング」とはある目的に意識が向くあまり、他の目的がおろそかになってしまう状態のことです。

 トンネリングという言葉はIT関係や医療など様々な分野で用いられます。

 このページでは心理学および行動経済学における「トンネリング」を扱います。

 
 
 

研究

トンネリングの語源

 トンネリングとは人の意識における視野狭窄を意味します。

 トンネルに入ると内側の物は見えますが外側の物は見えません。
 こういったトンネル視を表す言葉としてトンネリングという言葉は用いられます。

 
 

消防士の実例

 海外の研究にはなりますが、消防士が出動時にうっかりシートベルトを着けていないという事態は珍しくないようです。

 消防士の死亡者数の20~25%は自動車の衝突によるものという調査もあり、シートベルトを締めることで助かったかもしれない命があることは推測できるでしょう。

 当然、危険な仕事である消防士がシートベルトを締めることを知らないわけはありませんし、普段から意識もしているでしょう。

 しかし火事の現場に早急に駆けつけるという目的のために、シートベルト付けるという重要ですが日常過ぎる事柄が意識の外に出て行ってしまっていることがわかります。

 上記はトンネリングの一例と言えるでしょう。

 
 
 

解説

 何かに集中することは悪いことではありません。

 しかしながら、目的に対する視野狭窄は他のもっと重要な目的を見過ごしてしまうリスクがあります。

 トンネリングは目の前のことに囚われることの弊害やリスクを示唆しています。

 トンネリングは無意識に人の選択に影響を及ぼします。

 目の前の緊急の目的のために他の重要な物事が選択肢からなくなり、それに気づかないという点がトンネリングの厄介なところです。

 意図的にシードベルトをしないのではなく、シートベルトをするという選択肢が抜け落ちてしまいます。

 トンネリングは「時間がない」「お金がない」など何かが欠乏したときに起こりがちです。

 こういったゆとりのなさが、(当たり前に聞こえるかもしれませんが)無意識の視野狭窄を生みます。

 トンネリングを知り意識するだけでも、ゆとりの大切さを再認識することができるのではないでしょうか。

 
 
 

参考資料

-心理学
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