単語完成課題とは?
単語フラグメント完成課題とは、端的に言うと単語の穴埋め問題のことです。
単語完成課題と言われることもあります。
例えば「□んご」という問題の□を埋めて言葉を完成させてもらいます。(この場合は「りんご」などが正解となります)
単語完成課題は心理学におけるプライミングや記憶の研究でよく使われる課題の1つです。
解説
単語完成課題の意義と内容
□た□むり
さ□ら□ぼ
う□どけ□
上記のように、単語完成課題は□の中に文字を入れて単語を完成させてもらう課題です。
問題を解く前に「さくらんぼ」という言葉を見聞きしておくと、(たとえ問題にさくらんぼが出ると言わず被験者が意識していなくても)問題を解くときにさくらんぼが相対的に速く解けるようになります。
このように、事前の刺激が後の刺激に(本人が意識していなくても)影響することをプライミング効果と言います。
単語完成課題はこういったプライミングに関する研究でよく使われます。
顕在記憶と潜在記憶の関係
単語完成課題はプライミングの研究でよく使われる課題ですが、単語完成課題を解くにあたって単一の機能のみが使われいるわけではありません。
プライミングは記憶の分類としては言語化できない潜在記憶に分類されます。
そして潜在記憶の対となるのが顕在記憶です。
このため単語完成課題は潜在記憶の課題とされがちですが、実際は潜在記憶課題と顕在記憶課題の明確な分離は難しく、遂行には一部共通の機能も使われていると考えられています。
つまり単語完成課題は潜在記憶の機能のみを測定できる課題というわけではないと言えます。
プライミング効果とは?
参考資料
『実行機能の初期発達,脳内機構およびその支援』(心理学評論刊行会)2021年11月6日検索
『ワーキングメモリトレーニングと流動性知能』(日本心理学会)2022年8月6日検索
『記憶とその障害』(一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)2022年8月15日閲覧
『プライミングの認知心理学』(日本失語症学会(現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会))年月日閲覧