ITコラム

VOCAとは?~ITによる障害者のコミュニケーション支援~

公開日:2016年10月22日

障害者のIT支援におけるVOCAという用語についてです。
 
 


 
 

VOCAとは?

VOCAは「ヴォカ」と読みます。

Voice
Output
Communication
Aid
頭文字をとってVOCAです。

VOCAとは「音声を出力するコミュニケーション機器」のことです。

特定の機器を指すのではなく、障害者のIT支援における機器や支援方法の分類の一つです。
 
 
 

なぜVOCAが必要なのか?

「互いの声で会話をする」というのは最も身近なコミュニケーション方法の1つですね。

しかし、コミュニケーションの方法は1つではありません。

メールやLINEでのやりとりもコミュニケーションですし、筆談や手話もコミュニケーションです。

自分の声で話すことだけが、唯一のコミュニケーション手段ではないわけです。

脳卒中や脳性麻痺、発達障害など何らかの障害により自分の声が出せないことがあります。

そういったときにVOCAの使用を検討します。

なぜ「検討します」なのかと言えば、コミュニケーションの方法は人や状況によって異なるからです。

同じ「声が出ない」という障害であっても、VOCAが合う人もいれば手話が合う人もいます。人それぞれです。

話は逸れましたが、
VOCAは音声を出力する機械です。

自分の声で話すことが難しい場合に、人口音声や他の人に録音してもらった声で音声表出し、コミュニケーションを手助けする機械です。
 
 
 

具体的なVOCA

代表的なVOCA

具体的なVOCAの機器としては、有名どころでは「リトルマック」「ビッグマック」があります。

これは平たく言うと、
「スイッチが大きいボイスレコーダー」です。

あらかじめ録音しておき、スイッチを押すとその録音した音が再生されます。

リトルマックのスイッチの大きさは野球ボールの直径くらい。

「リトル」ですがそれでもけっこう大きいスイッチですね。

スイッチが大きく押しやすい理由は、身体障害を重複している方の使用も想定しているためです。

リトルマックよりスイッチがさらに大きいものがビッグマックになります。

また、トーキングエイドもVOCAと言えばVOCAです。

トーキングエイドとは50音表で文字を打つことで、入力した文章を読み上げてくれる機械です。
 
 

近年のVOCA

先述のような「障害者専用」の機器が以前は代表的なVOCAでした。

しかしながら、費用対効果や現代の技術発展を考えると、近年のVOCAはまた違った状況と言えます。

タブレットやスマホの普及により、VOCAの現状も大きく変わっています。

例えば一昔前は専用機器だったトーキングエイドも、今ではiPad上のアプリとして販売されています。

グーグル翻訳をはじめとしたインターネット上のサービスを使えば、無料で自分が入力した文章を読み上げることができますね。

スマホのボイスレコーダーアプリを使えば、簡単に音を録音・再生することもできるでしょう。

以前は「高価な割に使い方のレパートリーが少なかった」VOCAが、今では「身近なIT機器でできる」支援方法になっています。
 
 
 

まとめ

VOCAとは「音声を出力するコミュニケーション機器」のことです。

自分の声でコミュニケーションをとることは素敵なことです。

一方で、もしも自分の声が障害されたら、そのときは「自分の声で話すこと」は難しくても「人とやりとりをすること」まで諦める必要はありません。

自分に合ったコミュニケーション方法を見つけることが大切です。

コミュニケーションの代償手段の1つにVOCAがあります。

近年はスマホやタブレット、インターネット環境の普及によりVOCAによるアプローチも行いやすくなりました。

脳性麻痺などの音声障害、発達障害などによる音声言語コミュニケーションの難しさを抱える方にVOCAは役立つかもしれません。
 
 
 

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