障害者のIT支援を行う際、スイッチを活用する場合が多々あります。
スイッチは自作することも可能ですが、もちろん購入する場合もあるでしょう。
自作するにせよ購入するにせよ、スイッチの性質や種類を把握しておかないと選択することはできません。
【押しボタン型スイッチ】
最もポピュラーなスイッチです。
文字通り押すことで入力できます。
大きさや押す力も様々で種類も多く、最も安価で手に入るスイッチでしょう。
障害者のIT支援の現場では、必ずしもスイッチを手で押す必要はありません。
足で押したり顔で押したり多様な使い方をされます。
押しボタン型の中で最も有名なスイッチの一つはジェリービーンスイッチツイストでしょう。
ジェリービーンスイッチは値段こそ高いものの、質はやはり良いです。
補足リンク:ジェリービーンスイッチツイスト
【ストリング型スイッチ】
ストリング、つまり「紐」です。
紐をひっぱることで入力できるスイッチです。
押しボタンスイッチはある程度体の動く方向が一定しないと安定した入力ができません。
しかしストリングスイッチなら、例えば腕につければ腕が斜めだろうが後ろだろうがとにかく腕を動かせば紐を引っ張ることができスイッチが入ります。
この力の方向を選ばないのがストリングスイッチの魅力です。
よって、動きが大きいが方向が一定しない身体での入力の際は押しボタン型スイッチよりストリングスイッチの方が重宝します。
ストリングスイッチは押しボタン型に比べると種類が少なく、そのため出費も高くなりがちです。
仕組み自体はシンプルなので自作するほうがおすすめです。
しかしながら作る時間がなかったり作り方を知らない人も多いかもしれないので、いちお購入できるページのリンクを貼っておきます。
(自作に関する記事もそのうち書きたいとも思っているのですが・・・)
補足リンク:ストリングスイッチ
【グラスプスイッチ】
文字通り、握るタイプのスイッチです。
掌などで握ることで入力できます。
リンクを見てもらうと分かりますが、市販品は有名どころだと高いです。
正直グラスプスイッチを使える人って、掌に収まるような小型の押しボタンスイッチを手に巻きつけることで事足りたりするんですよね。
そして小型の押しボタンスイッチなら数百円で自作できますし。
数万円出してグラスプスイッチを購入するケースは少ない気がします。個人的には。
ちなみに「小型の押しボタンスイッチを手に巻きつける」用途としてはスペックスイッチというスイッチが有名です。
スペックスイッチは大体1万円。グラスプスイッチが同じメーカーなら3万5千円。
うーん。グラスプスイッチの適応ってかなり限られそうです。
【スティック型スイッチ】
ゲームセンターのジョイスティックを想像してもらうとわかりやすいかもしれません。
棒状の入力部に触れたり曲げたりすることで入力できます。
ストリングスイッチ同様、押しボタンスイッチより力の方向を選ばないのが特徴です。
<補足リンク>
・フレックススイッチ
・リボンスイッチ
【ブレススイッチ】
息を吹きかけることで入力できるスイッチです。
スイッチを押す身体動作も難しい方の選択肢になってきます。
しかしながら脳性麻痺やそのほか難病で重度の身体障害がある場合、発話や呼気のコントロールも障害されていることも多いので必ずしも重度身体障害の方がブレススイッチを使えるわけではありません。
また、ブレススイッチは呼気で反応するくらい感度の高いセンサーを有しています。
この部分を指で少し触れるだけでもスイッチは入ります。
そのためスイッチは押せないけれど指が微かに動く場合は、ブレススイッチを微力な力でも反応する押しボタン型スイッチと捉えて使ってみるのもありかもしれません。
補足リンク:ブレススイッチ
【その他(こめかみなど)】
こめかみの動きなどを検知して入力できるスイッチもあります。
補足リンク:ピエゾニューマティックセンサースイッチ