前言語期(ぜんげんごき)とは?
前言語期とは、初語を話す前の段階を指します。
初語とは赤ちゃんが初めて話した意味のある言葉を指します。
「まま」や「まんま」などです。
解説
前言語期はいつまで?
前言語期は赤ちゃんが初語を話すまでの期間を指すのが一般的です。
定型発達において初語は見られるのはおよそ1歳前後は一般的ですから、それに伴い前言語期は生後1年間を指すことが多いです。
ただし、より専門的な研究ではあかちゃんの音声言語やコミュニケーションの質に着目し、前言語期を生後16か月くらいまでと捉える場合もあります。
これらから、前言語期は生後12か月くらいまで、あるいは16か月くらいまでと考えられます。
前言語期の発達
前言語期の発達過程は文献によっても異なりますが、主に「stage model」と呼ばれる一定の順序で音声発達することがわかっています。
具体的には
- クーイング(非叫喚音)
- 声遊び音声
- 喃語
という順序で音声発達していきます。
クーイング(非叫喚音)とは文字通り叫び声ではない音を指します。
「あー」や「くー」のように聞こえる喉を鳴らすような声です。
元々は鳩の鳴き声に似ていることから「クーイング」という名称が使われています。
クーイングは鼻音、つまり鼻から空気を通したような音の印象を受け、特にクーイングが見られる初期はこの傾向が顕著です。
声遊び音声とはクーイングよりもピッチや声の強さに変化を持たせた多様な音声を指します。
そして喃語は「あうー」や「ばぶー」といった、それ自体は意味がない乳児期独特の声を指します。
喃語はクーイングなどの異なり、喉だけでなく舌や口も動かして「ぶー」「あうー」など音の変化や連続性が見られます。
補足記事
参考資料
『感覚器の成長・発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月3日検索
『0歳児の言語習得と四肢運動の発達』(バイオメカニズム学会)2021年8月11日検索
『前言語期の音声発達』(日本音声言語医学会)2021年8月13日検索