学童期のADHDの特徴
学童期におけるADHDの特徴的な症状としては、不注意による忘れ物やメモの取り忘れ、多動性による離席や落ち着きのなさ、衝動性によるルールの逸脱などがあります。
高学年になると社会性の発達から離席などは減少する場合もありますが、依然として騒がしさや「もじもじ」「そわそわ」した様子は見られるかもしれません。
解説
不注意の側面
- 話を聞いて連絡帳やノートをとることができない
- 忘れ物が多い
- 注意散漫で授業中に他のことに関心が移る
- 宿題をしない
- 親にプリントを渡し忘れる
- 提出物を忘れる
- ケアレスミスが多い
- 約束を忘れる
学校が始まると上記のようなミスが目立つ可能性があります。
このため指示に従って最後まで課題に取り組めなかったり、取り組んでもその質が雑であったりします。
これらの程度があまりにも重度の場合は問題視されることもありますが、逆に不注意の側面は学校や担任から見過ごされる場合も少なくなく、その点も対応の難しさと言えます。
多動性の側面
- 授業中の離席(立ち歩く、勝手に離れた席の友達に話しに行く、勝手に教室の後ろの棚へランドセルや道具を取りに行くなど)
- 大声で話し、多弁で騒々しい
- いつも身体をもじもじとさせたり、そわそわと動く
- むやみに走り回る
- 興味のある物にすぐに手を出す
- 絶えず物音を立てて騒がしい
多動性の症状に関しては低学年の頃に顕著である一方で、高学年になると徐々に改善するケースもあります。
ただし離席などと比べると、そわそわとした落ち着きのなさや多弁・騒々しさは長く続く傾向にあります。
衝動性の側面
- いきなり物を投げる
- 棒を振り回す
- 反抗ではないルールの逸脱
- 授業中、当てられる前に発言する
- 順番を待たず他者を押しのける
- 意味のないちょっかい
- 急にあきらめてしまう
衝動性の高さは上記のような例に加え、道路に飛び出すなど危険な行動にもつながる場合があります。
学童期のADHDへの対応方法
参考資料
『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧
『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧