ADHD(注意欠如・多動症)

ADHDの学童期(小学生)の対応方法・気をつけること

公開日:2023年1月13日

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学童期のADHDへの対応

 ADHDの小学生は、その特性から幼児期以上に注意されたり叱責されることが増えてしまいがちです。

 つまり幼児期は大目に見られていた言動が、勉強が始まる小学生になると注意や指導の対象になってしまうということです。

 こういった背景から、幼児期では人懐こかった子でも小学校では学校でも家庭でも追い詰められてしまうケースがあります。

 後述する内在化障害・外在化障害に共通して言えることですが、

 本人の不注意や多動性や衝動性に伴う行動が、本人の努力不足などではないという周囲の理解と環境調整が重要です。

 こういった配慮を適切に行うことで、本人の人懐っこさや良い所を活かした人格を育むことにつながります。

 逆にただ叱責と注意だけの日々で本人の理解を周りが行わなければ、二次障害を引き起こすリスクがあります。

 
 
 

解説

内在化障害

 障害そのものが原因ではなく、不適切な環境や周囲の無理解などが原因であるものを二次障害と言います。
 二次障害のうち、本人の内面に起こるものを内在化障害と言います。

 学童期のADHDに関する内在化障害としては、分離不安や抑うつなどが挙がります。そしてこれらにより学校不適応や、不登校に発展するケースがあります。

 不登校は精神的なプレッシャーだけでなく、受動攻撃的な不従順さによる場合もあります。

 受動攻撃的とは、直接的に攻撃を示さず、緘黙などで反抗することです。
 つまり一種の反抗として不登校を選択するケースです。

 このように子供の反抗は受動行動的な場合も考えられるので、子供の主張や考えを汲み取ってあげることが重要になってきます。

 
 

外在化障害

 二次障害のうち、他者に向けて行われるものを外在化障害と言います。

 学童期のADHDの子供が呈しやすい外在化障害としては、激しい反抗や他者への攻撃行動などがあります。

 このため友達同士のトラブルにも大人は気を配ってあげるといいでしょう。
 小学生になると友達の家に遊びに行くなど放課後の行動範囲も広くなりがちです。
 学校が子供の人間関係を全て把握することは難しいでしょうから、親と学校がうまく情報共有できれば有意義です。

 また外在化障害とは話が変わりますが行動範囲と関連して、

 ADHDの小学生はその衝動性から交通事故などの怪我や事故に十分注意する必要があります。

 小学生になると子供だけでの行動範囲も広くなりがちですから、こういった日々の事故にも気配りが必要でしょう。

 
 
 

参考資料

『注意欠如・多動症 (ADHD) 特性の理解』(一般社団法人 日本心身医学会)2022年11月19日閲覧

『ADHD(注意欠如・多動症)の診断と治療』(厚生労働省「e-ヘルスネット)2022年11月19日閲覧

-ADHD(注意欠如・多動症)

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