「児童用主張性尺度(ASC)」とは?
「児童用主張性尺度(ASC)」とは、子供の主張性を評価する検査です。
主張能力とは「他人の権利を侵害することなく、個人の思考と感情を、敵対的でない仕方で表現できる能力」考えられます。
要するに上手に自分の気持ちを伝えるコミュニケーション能力ですね。
英語だと「Assertiveness Scale for Children」であり、頭文字をとってASCともされます。
検査の意義
「社交性」や「コミュニケーション能力」と聞くと、相手に合わせる柔軟さを想像することが多いです。
それはある意味で間違いではありません。
しかしながら、
本当の意味で「コミュニケーションが上手い」というのは、「相手に自分の気持ちをうまく伝えることができる」ということでもあります。
本心を隠して周りに合わせてばかりではストレスが溜まりますし、それはコミュニケーション能力が優れているとは言い難いでしょう。
自分の気持ちを、相手の気持ちを害することなく、理解してもらえるように伝えることは重要なコミュニケーションスキルであり、ソーシャルスキルでもあります。
そして自分の気持ちを理解してもらうには、相手に察してもらうばかりではなく、時として自分から主張することも必要です。
それは決して攻撃的・批判的という意味ではなく、相手を尊重しながら自分の意見を言えるということです。
こういった主張能力の程度を見ることができるのが「児童用主張性尺度(ASC)」です。
検査の実際
「児童用主張性尺度(ASC)」は文字通り児童が対象となります。
検査は質問紙形式です。
各質問に「はい」「どちらかといえばはい」「どちらかといえばいいえ」「いいえ」の4段階で答えてもらいます。
結果から点数を出し、平均と照らし合わせながらその子の主張性を評価します。
おわりに
子供達の能力を見るときに、勉強や学力、知的機能だけに着目しては不十分です。
コミュニケーションスキルやソーシャルスキルが学校生活でも大人になってからも重要であることは明らかでしょう。
このように考えると、
子供達の評価においては知能検査だけでなく、もっと多面的な評価が必要であることがわかります。
「児童用主張性尺度(ASC)」は、そういった多面的な評価の1つとして役立つ質問紙と言えるでしょう。
その他の記事
参考資料
『児童用主張性尺度の構成』(J-STAGE)2020年1月17日検索