自閉症スペクトラム(ASD)と運動発達

発達障害児の動きの不器用さ・ぎこちなさの具体例

公開日:2025年1月16日


 
 

発達障害児の動きの不器用さ・ぎこちなさの具体例

 発達障害あるいは自閉症スペクトラム障害(ASD)児・者は、しばしば運動や日常生活動作において不器用さ・ぎこちなさを呈する場合があります。

 例えば滑らかな運動が難しくロボットのような動きになる、紐を結ぶことが苦手などです。

 以下、発達障害児の運動面の不器用さについて、事例も交えながら見ていきます。

 
 
 

解説

自閉症スペクトラム障害児の運動の不器用さ

 脳の非進行性の機能障害が推定される発達障害児者は、体性感覚系の異常さを伴うケースがあり、これにより運動面の不器用さを呈する場合があります。
 あるいは、発達性協調運動障害などを合併するケースが考えられます。

 日本自閉症スペクトラム学会の論文に、自閉症スペクトラム障害児者の運動発達について調査したものがあります。

 自閉症スペクトラム障害の子供を養育する保護者へのアンケート結果から、運動面の不器用さの事例をいくつか要約していきます。

 
 

不器用さの具体例

  • ダンスを覚えることが苦手で周りを見ながら行う。テンポが速いとついていけない。
  • 跳んだり体幹を屈曲させることが苦手で、体操やダンスがロボットのような動きになる。
  • 上半身を傾けて歩くことがある。
  • テニスなどで、ボールの動きに合わせてラケットを動かすことが苦手。
  • 定規で直線が引けない。
  • 左手(非利き手)で物を押さえて右手(利き手)で作業をするのが苦手。
  • スキップやでんぐり返しが苦手。
  • 歩くとき・走るときのの手足の動きのぎこちなさ。
  • ボールを投げることの苦手さ。
  • ハチマキを結ぶ、お菓子の袋を開ける、雑巾を絞る、瓶の蓋を開けるといった動作の苦手さ。
  • 三輪車や自転車に乗ることの苦手さ。

 
 
 

参考資料

是枝喜代治(2014)『ASD(Autistic Spectrum Disorder)児者の初期運動発達の偏りに関する研究 保護者へのアンケート調査を基に』(NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会)2024年12月21日閲覧

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