自閉症スペクトラム障害(ASD)児は運動が不器用なのか?
自閉症スペクトラム障害(ASD)だからといって運動発達に不器用さがあるとは限りません。
運動発達の不器用さ・遅れは自閉症スペクトラム障害を特徴づける要素ではないからです。
しかしながら、感覚の特異さなど自閉症スペクトラム障害による特性から運動の不器用さを示す場合はないとは言えません。
また、知的な遅れや発達性協調運動障害などの合併など、自閉症スペクトラム障害とは別の要素が背景となっている場合も考えられます。
解説
自閉症スペクトラム障害の3つ組の症状
自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴としては、「社会性の障害」「コミュニケーション面の障害」「常同的であったり限局された行動・興味の範囲(こだわり)」といった症状が挙げられます。
これら3つが自閉症スペクトラム障害を説明する上で主に用いられます。
つまり、「運動の不器用さ」は自閉症スペクトラム障害を特徴づける症状ではありません。
しかしながら、実態として自閉症スペクトラム障害児の運動面の不器用さを感じる当事者は少なくありません。
自閉症スペクトラム障害児の運動発達は傾向として実際どうなのでしょうか。
自閉症スペクトラム障害児の運動発達について
日本自閉症スペクトラム学会の論文に、自閉症スペクトラム障害児者の運動発達について調査したものがあります。
これによると、自閉症スペクトラム障害の当事者のアンケート結果から運動面の偏りが有意に見られたそうです。
つまり自閉症スペクトラム障害という障害において運動の不器用さは主症状ではないのものの、実態としては不器用さが見られることは少なくないようです。
ただし冒頭で述べたように自閉症スペクトラム障害の診断と併せて他の診断が付いている事例も少なくないため、運動の不器用さの背景の解釈は慎重さが必要でしょう。
参考資料
是枝喜代治(2014)『ASD(Autistic Spectrum Disorder)児者の初期運動発達の偏りに関する研究 保護者へのアンケート調査を基に』(NPO法人 日本自閉症スペクトラム支援協会 日本自閉症スペクトラム学会)2024年12月21日閲覧


