群馬大学のChatGPTの方針
群馬大学ではChatGPTを使った論文・レポート作成について現段階では「教員の指示を受ける」という方針をとるようです。
また ChatGPTなどの生成系AIやウィキペディア等の文章をほとんどそのまま書き写して、論文やレポートを作成することは「剽窃(ひょうせつ)」に当たると考えているようです。
解説
報道より
群馬大は、自然な文章を生成する対話型AI(人工知能)「チャットGPT」について、教員の許可がない限り、論文作成などで学生の利用を認めない対応を取る。13日にホームページで見解を公表した。
見解では、チャットGPTで作られた文章をリポートや論文に転用することは「 剽窃ひょうせつ 」(盗作)にあたるとして、場合によっては不正行為として退学や停学などの処分を出すとした。同大の担当者は「今後、利用方法については協議を重ねたい」としている。
チャットGPTをめぐっては、文部科学省が教育現場での運用指針の作成を検討し、東京大や上智大なども学生に利用上の注意を呼びかけている。
「群馬大生はチャットGPTの利用不可…リポートや論文に転用なら退学・停学も」(読売新聞オンライン)より引用(2023年5月14日閲覧)
所見
群馬大学ではChatGPTについてあくまで「慎重な姿勢」をとっている様子がうかがえ、読売新聞の「群馬大生はチャットGPTの利用不可…」という見出しは少々センセーショナルに過ぎる印象も否めません。
一方で、群馬大学の「教員の指示を受ける」という方針がなんとも日本らしいというか良くも悪くも曖昧だなとも感じます。
結局のところどんなツールをどこまで使うかを許可をもらわないといけない。
許可が下りなければ、例え「そのツールを使うことで短時間で質の良い物ができあがる」としてもこれまでと同じやり方をしないといけない。
「ChatGPTを黙って使った学生のレポートを大学はどのくらい見抜けるのか」は気になるところだと思います。
そうでなければ、(より効率よく質の高い文章を作るため)「ChatGPTを使ったと正直に言った人が損をする」ことになりかねません。
別の論点として、(文章はあくまで内容が重要なので)その文章を学生本人が書いたのかChatGPTで上手に生成したのかという点はさして問題ではないという考えもあると思いますが。
参考資料
『【在学生向け】ChatGPTなどの生成系AIについての注意喚起』(群馬大学)2023年5月14日閲覧