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【AIと医療】未熟児網膜症の診断支援にAI(人工知能)を活用

公開日:2023年5月16日


 
 

未熟児網膜症の診断支援にAI(人工知能)を活用

 未熟児網膜症の重症化を事前に予測するため、AIを利用した診断支援ソフトの開発を行っているようです。

 体重や身長、心拍数の推移など様々なデータから、AIを使い重症化する患者を予測。
 これにより、身体に負担が大きい眼底の検査だけに頼らない態勢を目指します。

 
 
 

解説

報道より

 妊娠37週未満で生まれた早産児に多い目の病気「未熟児網膜症」の重症化を事前に予測するため、大阪大などが今年度から、人工知能(AI)を利用した診断支援ソフトの開発に乗り出した。治療が遅れれば失明の恐れもある患者をソフトで早めに見つけ、専門医のいない病院でも十分な診療態勢を整備できるようにする。数年以内の実用化を目指すという。(松田祐哉)

 未熟児網膜症が重症化すると網膜が剥がれ、視力の発達が阻害されたり失明したりする。新生児集中治療室(NICU)では治療の時機を逃さぬよう、眼底の検査が多い場合は週1回以上行われるが、体への負担が大きいことが課題だった。

 阪大の福嶋葉子特任准教授(眼科学)らは重症化する患者の特徴を探るため、2009~18年に大阪府内の病院のNICUに入院した妊娠28週未満の早産児約200人のデータを解析。体重や身長、心拍数の推移など約20項目のデータから、4週間後に重症化する患者を予測するAIを作った。

 現在の予測精度は約90%に達するが、今年度以降は、検査が頻繁に必要な患者を絞り込めるよう精度をさらに向上させる。同時に、各病院の電子カルテシステムから必要なデータを取得してAIに予測させるソフトを企業と開発し、医療機器としての承認を国に申請する。福嶋特任准教授は「未熟児網膜症の専門医がいない病院は多いが、ソフトを使うことで時間の余裕が生まれ、専門医の派遣を受けるなど十分な診療態勢を整えられるようになる」と話す。

 東範行・日本小児眼科学会理事長の話「眼底検査は必要だが、AIの精度がさらに上がれば、早産児の負担軽減につながる可能性がある」

「早産児の失明リスク、AIで診断…大阪大などが支援ソフト開発へ」(読売新聞オンライン)より引用(2023年5月14日閲覧)

 
 

所見

 医療においてAIやITテクノロジーでデータを解析し、医師や専門家が下す複雑な決断を補助することは有意義だと考えます。

 人の命に関わる決断が多い医療現場において、AIやITテクノロジーの安易な活用は不安視する人もいます。
 しかし個人的には医療の機械化は0か100の極論ではなく、もっと適材適所で絡み合うものだと考えます。
 つまり全てを機械任せにするのではなく、人がより良い判断をするために機械を活用する。

 医療では膨大なデータから患者のリスク・予後を予測することも大切です。
 そのためには専門知識と経験が必要ですが、どの地域・どの病院にも「どんな病気も経験豊富な医師」がいるわけではありません。

 膨大なデータの共有と処理が可能なAIやITテクノロジーの活用は、より質の高い医療を場所を選ばず提供するには必要なことだと思います。

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