介護福祉士の国家資格受験者の減少
人手不足がよく言われる介護業界ですが、介護福祉士の国家試験受験者数は増えていない様子がうかがえます。
2023年の国家試験では、過去10年で2番目に少ない受験者数だったようです。
解説
報道より
介護現場で重要な役割を果たす専門職の介護福祉士。ところが、今年行われた国家試験の受験者数は過去10年間で2番目に少なく、6年ぶりに8万人を割り込んだ。介護が必要な高齢者は今後も増えるが、担い手不足の解消の道筋は描けない。
「「介護福祉士」は現場の質を支えるリーダー…増す一方の重要性、でも志望者は減少」(読売新聞オンライン)より引用(2023年5月14日閲覧)
所見
個人的には介護の人手不足は人材を増やすのではなく、機械化やそれを可能にする制度設計に注力したほうが良いと思います。
少子高齢化で若い労働力は減り労働者の高齢化が進む昨今。
程度の差こそあれ「力仕事」を要求される介護現場を人力だけで補っていくのは建設的ではないと思います。
介護を自動化・機械化できる道具や、IT化で情報処理をスムーズにしていく方向が長期的には得策なのではないでしょうか。
そしてそのような道具を使いこなせる人材を確保していくことが必要だと思います。
そのためには介護の機械化やIT化を評価できる制度・仕組みが重要です。
介護業界は少なからず国の税金が関連してくる仕事です。
機械化やIT化で生産性の高い仕組みを作り出せた施設・人材を適切に評価し利益につながるような制度が必要でしょう。
せっかく機械化して少ない人数で現場を回せても、「職員が少ないから」という理由で制度上損をするようでは経営者は納得しません。
例えばベッドから車椅子への移乗をサポートするリフトや道具はいろいろありますが、いずれも最初はベルトの固定や動かし方などを覚えなければいけません。
このような機械を使いこなせる人、このような機械を安全に実用的に導入できている施設を適切に優遇できることが介護現場の課題解決につながると思います。