はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
ユキとミホは、マユミの誕生日祝いの話をしていました。
こっそりプレゼントを準備して、誕生日当日にマユミをびっくりさせる計画を立てています。
そこで今日学校が終わったら、ユキとミホはプレゼントを買いに行く約束をしました。
放課後、マユミが「ねえ、今日3人で駅前のカフェに行かない?」と言いました。
ユキは「ごめん、今日は買い物があるから行けないの」と言いました。
「そんなんだね。なんの買い物?」とマユミは聞き、「それより、そのカフェ私行ったことないんだけどおいしいの?」とミホはマユミに聞きました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤ユキはその買い物が、サプライズのためのプレゼントを買う買い物だということを覚えていましたか?
⑥マユミはどのように感じましたか?
答え
①いる
②ユキ
③マユミには誕生日プレゼントのことは内緒にしているから。
④プレゼントが内緒であることと、買い物に行くことのつながりを忘れていたから。
⑤覚えていた。
⑥2人だけで買い物に行く計画を立て、そのことを隠そうとしていることに違和感を抱いている。
解説
文章から、ユキとミホとマユミは仲良しであることがわかります。
ユキとミホは内緒でマユミのプレゼントを買い、びっくりさせたいし喜ばせたいと考えています。
そのためにはプレゼントを内緒にすることはもちろんですが、二人だけで買い物に行ったということも内緒にしておかなければなりません。
なぜなら普段は3人でカフェに行くような間柄であるにも関わらず、マユミに何も言わずにユキとミホだけで買い物に行くのは不自然です。
マユミがこのことを知ったら、何かを内緒にしていると思うかもしれません。
あるいは「ユキとミホは自分を仲間外れにしている」と思うかもしれません。
本来はマユミを喜ばせたい2人にとって、「仲間外れにしている」と思われるのは本末転倒です。
しかしながら、ユキはプレゼントが内緒であることと買い物に行くことのつながりをパッとは把握できず、買い物に行くことをしゃべってしまいます。
買い物話題が続いてしまえば、嘘を言わないといけないのでボロが出るかもしれません。
このため、話題を変えて買い物に行く件にこれ以上触れないよう、ミホは「それより、そのカフェ私行ったことないんだけどおいしいの?」と話をふりました。