失言課題

【失言課題】恋愛の同時進行|空気を読む練習とソーシャルスキル

公開日:2021年3月18日


 
 

はじめに

「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。

失言検出課題とは?
失言課題の設問意図の解説

といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。

 
 

問題文

大学生のミホは、今度の日曜日にあるアーティストのライブに行きたいと思っていました。
そこでサークルが同じで趣味の合うアキラを誘いました。
アキラは恋人ではありませんが、ミホにとっては少し恋愛関係を意識している仲です。
しかしアキラはその日にアルバイトの予定が入っており、一緒に行くことはできないようです。
大学が終わり家に着いたミホは、同じ学科のヒロシにLINEをしてライブに行かないか誘ってみました。
ヒロシは都合がつくようで、OKしてくれました。
こうしてミホとヒロシは2人でライブに行きました。
ヒロシと二人で出かけるのはミホにとって初めてでしたが、非常に楽しいライブになりました。

後日、サークルでミホとアキラが話をしています。
「この前の日曜はごめんね」アキラは言いました。
「うんうん、気にしないで」ミホは言いました。
それから二人はアーティストの好きな曲について話を始めました。
「俺はAという曲がいいなあ」ヒロシが言いました。
「私もAが好きだったけれど、最近はBを聞いちゃうの。実際に生演奏聴くとAよりBがすごく印象深くて」ミホが言いました。
「ライブ配信があったの?」ヒロシは聞きます。
「あ、勝手にYouTubeに上がってたやつだけど。そういえばアルバイトは最近忙しいの?」

 
 
 

質問

①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?

「いる」場合、以下の設問にも解答します。

②気まずいことを言った人は誰ですか?

③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?

④なぜその人はそのように言ったと思いますか?

⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?

⑥相手はどのように感じましたか

 
 
 
 
 
 

答え

①いる

②ミホ

③アキラは、ミホがヒロシとライブに行ったことは知らないから。ミホにとっても、恋愛関係を意識しているアキラに対して自分が他の異性とライブに行ったことはあまり知られたくないから。

④お気に入りのアーティストの話で興奮してしまったから。ライブに行ったことで知りえた情報をアキラに言うべきではないことを忘れていたから。

⑤ミホは自分とヒロシがライブに行ったことを、アキラは知らないということを知っていた。

⑥アキラは、自分がアルバイトであったがゆえに行かなかったはずのライブのことを、なぜミホが知っているのが違和感を持った。

 
 
 

解説

恋人を作るために同時並行で異性と親しくなることは人間よくあることです。

恋人ではないため二股ではなく、ミホの「アキラにもヒロシにもライブに行かないか声をかける」という行為は非難される類のものではありません。

しかし、「誰か異性を誘ってその人が断ったら、別の異性を誘うんだ」と相手から思われると、恋愛において雲行きが怪しくなることが多いです。そのためミホもライブに行ったことはアキラに隠しています。

こういうことは人間関係でよくあることですが、今回のケースではミホの詰めが甘かったと言えるでしょう。

 
 
 

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