はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
ミホは新しい洋服を買おうとお店に来ました。
洋服を見ていると、良さそうなパンツ(ズボン)がありました。
ミホは同じパンツでサイズが違う物を2着持って、試着をします。
「小さいかなと思ったけれど、意外とこっちのほうが良さそうです」ミホはそういって、小さいほうのサイズのパンツを持っています。
「このパンツはストレッチ素材が入っているんです。足が太くても動きやすいですよ」店員は言いました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
「いる」場合、以下の設問にも解答します。
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?
⑥相手はどのように感じましたか?
答え
①いる
②店員
③暗にミホの足が「太い」という表現になってしまっているから。
④パンツの性能の良さを言いたいあまり、「足が太くても動きやすい」という表現が「ミホの足は太い」ということを連想させることに気づいていなかったから。
⑤ミホが小さいサイズの洋服に消極的だったことから、体形を気にしていることも推測できるが、そこに気づけていなかった。
⑥ミホは暗に自分の足が太いと言われた気がして、少し腹が立つあるいは悲しい気持ち。
解説
典型的な失言のパターンになります。
人のコンプレックスをカバーする洋服は多いですが、その機能を前面に伝えると相手のコンプレックスを指摘することになってしまいます。
実生活では、洋服を売るプロである店員さんがこういった発言をすることはほぼないでしょう。
しかし友人同士の会話などまた違った場面では失言してしまう人も一定数いるのではないでしょうか。