はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
ミホはIT企業に勤める20代の会社員です。
週末に髪を切りました。
月曜日に出社し、仕事にとりかかかる前に給湯室でお茶を淹れていると先輩のメグミに会いました。
メグミは同じ部署の5つ年上の先輩です。
「髪切ったんだね。ショートも素敵ね」メグミは言いました。
「はい、思い切って切っちゃいました。長い髪が最近まとまらなくて。私も歳だなぁって思います」ミホは言いました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
「いる」場合、以下の設問にも解答します。
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?
⑥相手はどのように感じましたか?
答え
①いる
②ミホ
③メグミはミホより年上であるから。
④自分が髪を切ったことに関連して、自分の年齢に対する心境を謙遜して言ったつもりだった。
⑤メグミが自分より年上であることは知っていた。
しかし自分が「歳を取った」という表現をすれば、年上であるメグミは「もっと歳を取った人」ということになってしまうことに気づけていなかった。
⑥暗に自分のことを「歳を取った人」と言われたようで嫌な気持ちや腹が立つ気持ち。あるいは悪気なく言っているミホの言動に居心地が悪い気持ち。
解説
謙遜したつもりが、それが相手を否定する表現につながってしまうことはよくあることです。
特に年齢や若さに関してはよくあります。
つまり自分を「もう若くない」とする謙遜を年上の人に対して使ってしまうパターンです。