はじめに
「社会的失言検出課題」の例です。
正式な検査ではなく、数をこなして練習できるようあくまで例題です。
といった内容をご理解の上で例題に目を通していただけると理解が深まると思います。
問題文
佐藤マユミは今日新しい学校に転校してきた高校2年生の女の子です。
教室で挨拶を済ませたあとの最初の休み時間、マユミはトイレに入っていました。
そのあと、同じクラスのミホとユキがトイレの洗面台で会話を始めました。
「転校生の子、悪い子じゃなさそうだけど、ちょっと地味っていうか要領悪そうだよね」とミホが言いました。
トイレの個室からマユミが出てきて、ミホとユキはマユミを見ます。
「あ、佐藤さん、これから美術の時間だけれど美術室わかる?もしよかったら一緒に行かない?」とユキは言いました。
質問
①気まずいことや言うべきでなかったことを言った人はいますか?
②気まずいことを言った人は誰ですか?
③なぜそれを言うべきではなかったのでしょう?
④なぜその人はそのように言ったと思いますか?
⑤その人は何を知っていて、何を知らなかったですか?
⑥相手はどのように感じましたか?
答え
①いる
②ミホ
③個室に中にマユミがいるから。
④同じ空間にマユミはいないと思っていたから。
⑤トイレの個室にマユミがいることをミホは知らなかった。
⑥自分のいないところで自分の陰口を言われ、悲しい気持ちと不信感。
解説
世の中、陰口は多かれ少なかれ誰でも言われているものですが、やはりそれを直接耳にすると辛いものです。
ミホは自分が言っていることが陰口であるという自覚はあったのでしょうが、同じ空間にマユミがいるかもしれないという可能性を考慮することができませんでした。
それはユキも同様でした。
そしてトイレからマユミが出てくることで、二人は状況を察します。
気まずい状況をカバーしようと、ユキは取り繕うように友好的な言葉をマユミに言っています。