音韻意識

逆唱課題と音韻意識の評価|子供の言葉の発達

公開日:2024年3月12日


 
 

逆唱課題とは?

 音韻意識の評価における逆唱課題とは、単語を反対から言ってもらう課題です。

 例えば「すいか」の場合、「かいす」と答えることができれば正解です。

 「逆唱課題」は呈示された数字を逆から言うワーキングメモリを評価する課題や、単語を逆から言ってもらい音韻操作能力を見る課題などがあります。

 一口に「逆唱課題」と言っても、その意図、何を評価するのかを理解することが大切と言えます。

 
 
 

解説

逆唱課題の位置付け

 逆唱課題は音韻分解・抽出よりも難しい音韻操作課題と言えます。

 逆唱課題は音韻分解・抽出を行った上でさらに反対から言うという言葉を再構成する過程が求められます。

 このため逆唱課題の力は文章音読の力を関連すると考えられます。

 
 

逆唱課題の出題例

 逆唱課題は呈示した単語を逆から言ってもらいます。

 単語の選定としては、幼児期後半から小学校低学年程度であれば、直音から成る2~4モーラ程度の単語が用いられることが多いでしょう。

 直音とは促音・長音・撥音・拗音などを除いたものです。
 要するに小さい「っ」や小さい「ゃゅょ」、「ー」や「ん」以外です。

 6割程度を正答できれば通過と考え、それ以上のモーラ数の単語にチャレンジしても有意義でしょう
 (例えば2モーラの単語5語中、3語くらい正答できれば通過と考えます。もちろん年齢や状況にもよりますが)

 定型発達の場合、逆唱課題は年中(5歳頃)から小1(7歳頃)にかけて大きく伸びる傾向があることがわかっています。

 また小学校1年生から2年生にかけては、3~4モーラの単語の逆唱に関する処理速度が急激に速くなることも示唆されています。

 
 
 

参考資料

『仮名読みの獲得過程に対する音韻操作能力の関与』(日本音声言語医学会)2024年1月26日閲覧

『健常児における音韻意識の発達』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月27日閲覧

『幼児における音声産出能力の発達と音韻意識の関係』(日本コミュニケーション障害学会)2024年1月20日検索

-音韻意識

テキストのコピーはできません。